本編

□素直な気持ち
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「はーくん、違うのッ…私、ちゃんと断ったから…」


「おやおや、可愛いLadyだ。」


「ッ!!」



ロベルトは必死に説得している小夏を後ろから抱きしめ、斎藤の見せつけるように唇に接吻をする。それを見た斎藤は、急いでロベルトから小夏を奪い抱きしめる。小夏はというと、涙目になりながら着物の裾で唇を拭っていた。



「Oh…傷付きますね…まぁ、今日のところはこの辺にしておきます…good-by♪」



ロベルトは手を振り去っていった。小夏は斎藤に抱きつき、鳴き始める。斎藤は優しく抱きしめて、髪を撫でる。



「はーくん、ごめんなさい…」


「謝ることではない…俺がお前を一人にしたからだ…」



斎藤はそう言って、泣き続ける小夏を姫抱きをする。突然の事に言葉を失う小夏に優しく声をかける。



「大丈夫だ…屯所に戻ろう…」


「うん…」


「ロベルトか…気を付けなくては…」










「あれ?仲直りしたんだ…つまんないなぁ〜」


「小夏、泣いてる?」



屯所に戻れば、沖田と亜衣利が庭で遊んでいた。斎藤が帰ってきたのに気付いた沖田は話しかける。亜衣利も二人に近寄って行き、小夏を覗けば泣いているのに気づき不安になる。小夏は無理に笑い"何でもない"と一言だけ言う。斎藤は沖田と亜衣利に"すまない"とだけ言い、すたすたと中へと入っていく。



「どうしたんだろう…」


「さぁ?二人で解決するんじゃない?」









「小夏…少し待っててくれないか?」


「あっ、うん…」


「すぐ、戻ってくる。」



斎藤の部屋に着けば蒲団を敷き、そこに小夏を寝かせる。優しく髪を撫でれば、斎藤は部屋を出ていく。一人になった小夏は少し心細くなって、蒲団の中で小さく丸まる。

暫くして、斎藤が何かを持って部屋に戻って来た。小夏が斎藤の方を振り向けば、桶を持っていた。それが何なのか分からず、小夏は首を傾げる。そんな、小夏に微笑み掛ければ、近くに腰掛け目に温かい布を置いた。



「少しは楽になるだろう…」


「ありがとう…//」


「小夏…あいつは本当に婚約者なのか?」


「…多分…父様が決めたから分からない…」


「そうなのか…」



話が終わり沈黙が続く。どうしたら良いのか、そんなことを小夏が考えていると、斎藤に手を握られた。









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