本編

□過ち
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「亜衣利ッ!!…―ッ!!」



沖田がその宿に着き、一番怪しい部屋に行き、中を見渡すが浪士達の姿はなかった。いたのは変わり果てた姿の亜衣利だけだった。裸の亜衣利に無造作に着物が掛かっているだけ、誰が見ても何をされたかが直ぐ分かる。

沖田は亜衣利に近付き、優しく頬を撫でる。顔を見れば、目元には涙の跡。それを見れば、沖田は顔を歪ませ、亜衣利を起こす。そして、着物を着せ、姫抱きで宿を去っていく。











「亜衣利ちゃんッ!!」


「亜衣利ッ!!見つかったんだ…良かった…」


「…良くないよッ…」


「沖田さん?」



屯所に着けば、心配していた小夏と屡架が向かえてくれた。亜衣利の姿を見つけ、安堵したように微笑む。そんな、小夏の言葉に沖田は泣きそうで悔しそうな顔で言う。二人は顔を傾げ、沖田は冷静さを取り戻し、亜衣利を小夏に託す。



「亜衣利、お願いしていい?」


「…いいけど…どっか行くの?」


「ちょっとね…あっ、今すぐ風呂入れさせてあげてね…」


「お風呂ですか?…分かりました。」


「よろしくね。」



沖田は二人にそう言い残し、屯所を出ていく。二人は理由が分からず、言われた通り風呂場へと向かう。



「何なのよ、総司の奴…」


「まぁ、頼まれたことをしましょう…」



風呂場に着けば、屡架は着替えの支度などをする。小夏は亜衣利の纏っている着物を脱がしていく。それと同時に、小夏は言葉を失う。



「何よ…これ…」


「どうしたの?小夏ちゃん?…ッ…これは…」



亜衣利の身体には殴られた跡や紅い鬱血痕、血の跡など数多くの跡が残っていた。誰が見たってこれは、強姦紛いの事を去れたのは分かる。



「…亜衣利…」


「…酷い…此処までするなんて、沖田さん…辛かったでしょうね…」


「ッ…待って、総司、返り血浴びてなかったよね…」


「えぇ…って、もしかして…」


「絶対そう…」


「私、土方さんに言ってくるわ。」


「お願い…」



二人はこれから、沖田が何をするのかが分かったのか、屡架は急いで土方の所へと向かう。小夏は亜衣利を優しく抱きしめ、"大丈夫"と声を掛ければ、風呂に入っていく。



「綺麗にしてあげないと総司に怒られる…」



任された仕事をやるために。










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