本編
□過ち
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「頭、沖田は良かったんですか?」
「あぁ、あれは沖田の屈辱的な顔が見たかっただけだからな…」
「頭は最低ですね。あの娘、生娘でしたよ?」
「だな。まぁ、いいんじゃねぇか?俺らは楽しめたんだからよ。ハハハッ!!」
ある宿、事を起こした浪士達が酒を片手に賑やかに話していた。自分達のしたことに反省もせず、笑っているだけだ。
「…あの娘、以外と楽しめたからな…俺の女にすれば良かったな。」
「それは、許さないよ…」
『ッ!!』
いつの間にか現れた沖田に浪士達は武器を構える。
「君らやってくれたよね…死ぬ覚悟できてるよね…」
「てめぇが死ぬの間違いじゃねえのか?」
「ハハハ、馬鹿?あんたらが死ぬんだよ…」
沖田は抜刀して、向かって来るのに浪士を次々と斬り付けていく。部屋には血が飛び、沖田自身も返り血を浴びる。
最後に残った事の元凶である男に沖田は近づいていく。男は沖田に恐れ、後退りをする。
「た助けてくれッ…」
「嫌だ。」
沖田は有無を言わさず、刀を振りかざす。男の返り血を浴び、そのまま刀についた血を振り払えば、鞘に収める。そして、部屋を出ていく。
「総司、てめぇ…」
「何です、土方さん…」
「はぁ…てめぇは何でそう一人で何でもすんだ…」
「これは、僕の問題ですから…」
屯所に着けば、土方が鬼の形相と共に立っていた。沖田はそんな、土方を無視すれば部屋へと戻る。
亜衣利の部屋の前を通りすぎようとしたが立ち止まる。しかし、中には入ろうとせず、去っていこうとするが、部屋から亜衣利の声がかかる。
「そこにいるの、総ちゃん?」
「……亜衣利…」
「総ちゃんッ!!」
亜衣利は蒲団から出れば、襖を開け目の前の沖田に抱き着く。
「にゃッ…血、ベッタリ…」
「ごめん…」
「いいよ?あぁ、でも、早く血落とさないと残っちゃう…部屋入って。」
亜衣利はそのまま、沖田を中へと入れる。そして、自分の部屋に置いてある沖田の着物を出し沖田に渡す。
「はい。着替えて…」
沖田が着物に着替えれば、二人の間に沈黙が続いた。それを最初に破ったのは、沖田だった。
「……亜衣利、無理してる?」
亜衣利は身体をビクッと震わせる。
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