本編

□大騒動っ!?
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「で、その猫は何だ…」


「亜衣利の猫ですよ。元々いたんですよ、気付かなかったんですか?」


「……工藤、本当なのか?」


「えっ…あっ…ほ、本当です…」


「そうか…ならしかたねぇな…」


「あら、亜衣利ちゃん来てたの…沖田さんまで…」



3人で話しているとお茶を持って屡架が部屋へと入ってきた。おそらく、亜衣利達が来る前に土方の傍にいたのだろう。屡架はお茶を机に置くと亜衣利の膝の上にいる仔猫に目が行く。



「あら…亜衣利ちゃん…また、着いてきちゃったの?」


「うにゃ…少し遊んでたら着いてくるから、話聞いてあげたら、あまりにも酷で……」


「ほぅ〜テメェの猫じゃないんだな…工藤…」


「にゃッ!!私の、私の猫ですッ!!」


「嘘付くんじゃねぇ〜」


「にゃにゃにゃにゃッ…痛いッ…グリグリ止めてぇ〜…」



土方はそのままの亜衣利のこめかみをグリグリしてくる。亜衣利は涙目になりながら必死に土方を止めようとするが、止める気配は無く脱け出すことが出来なかった。しかし、見かねた沖田が亜衣利を助ける。



「土方さんッ!!止めてくださいよッ…亜衣利が何かしました?」


「頭いたぁーい〜…」


「大丈夫だよ、亜衣利…」


「土方さん、苛めなくても良いんじゃありません?」


「あぁ…何かな、嘘つかれると手が出るんだ…悪い…」



謝る土方を見て亜衣利は小さくコクリと頷く。屡架は"許してくれるみたいですよ?"と優しく土方に通訳をする。それを聞いて少し安心した土方は、改めて亜衣利を問い詰める。



「で…その猫は拾って来たんだな?」


「はぃ…ごめんなさい…」


「謝るな…どうせ、総司の差し金だろ?」


「そうですよ?大好きな女の為に何もしない男なんています?」


「……お前らしいな…工藤、その猫どうしたい?」


「え?……里親が見つかるまで…ここに置いていただけませんかッ!!お願いします…」



亜衣利は沖田から離れ手をつき、土方に頼み込む。心なしか子猫までも頼み込んでいるように見える。土方は溜め息を1つつき話し始める。



「工藤…その猫離すんじゃねえぞ…過去に大騒動が起きたからな…」


「良いんですか?」


「あぁ…」


「良かったね亜衣利…」



沖田は亜衣利に抱きつく。仔猫も嬉しいのか亜衣利の頭の上に乗って、にゃあと一鳴きする。








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