本編
□ときめき変化
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「揃ったな…それでは頂くとしよう。」
『いただきますっ!!』
膳を全て運び終わり全員が席に着けば、近藤の掛け声と共に一斉に食べ始める。
しかし、女性陣はご飯どころではなく自分達の恋人をじっと見つめていた。
「…屡架、食べないのか?」
「へぇ?あっ、た食べます…//」
「……似合わないか?」
「似合ってますよ?とても格好いいです…でも、髪は惜しかったなぁと思います……」
「屡架は長い方が好きか…」
「あっ、短くても素敵ですっ!!」
「…ありがとな…」
そんな会話を屡架達はしていた。あの長かった髪をばっさり切ってしまい悲しかった屡架ではあったが、何を着ても格好いい土方に惚れ直していた。
「小夏…大丈夫か?」
「な何がっ!?」
「顔が赤い…そして、心拍数が上がっている…風邪か?」
「ッ…//風邪じゃない…ただ、はーくんが格好いいだけ…//」
「…そ、そうか…//」
「髪…切っちゃったんだね…」
「すまない…嫌だったか?」
「ううん。はーくんの襟巻きもなくなってるから、別の人みたいで…がらっと変わってるから何か落ち着かなくて…」
「これから、なれてくれたらいい…夜以外はこの服だ。その内なれるだろう…」
こんな話を小夏達がしている。顔を真っ赤にしながらも頑張って言ってくる小夏の髪を優しく撫でる。嬉しそうに微笑めば、いつもの調子を取り戻し食べ始める。
「総ちゃんが一番格好いいね…」
「ありがとう。嬉しいよ…」
「どう致しまして。でも…髪結えなくなっちゃったなぁ…」
「あっ…そうだね。いつもの恒例になってたのに、ごめんね?」
「ううん。また、何か見つける。」
甘甘な感じな亜衣利達。毎日、沖田の髪を結っていた亜衣利は少し悲しそうにするが、拳を作り気合いを入れればにっこりと微笑む。
「…なぁ、俺たちさ悲しくないか?」
「まぁ、女いないからな…」
「左之さんはいるじゃんよ…」
恋人が今いない新八と平助は落ち込みながら箸を進めていく。恋人がいる左之に愚痴を言いながら…
「春はいいなぁ…」
近藤はそう呟きながら、嬉しそうに微笑んだ。
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