本編
□ときめき変化
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「はぁ…新八さん…島原行こうぜ?」
「そうだなぁ〜左之も行っちまったし…暇だからな…」
夜になり、つまらなそうに平助と新八は縁側で座りながら話していた。せっかく、洋服に変わったはずなのに誰も相手にしてくれないため、今から島原へ行こうと立ち上がる。その時、小走りで亜衣利が此方に向かってくる。
「平ちゃん〜新八さん〜」
「亜衣利じゃん、どうした?」
「今、暇?」
「暇っちゃあ、暇だなぁ…」
「だったら、餡蜜作ったから食べませんか?」
「えっ、食べるっ!!」
「俺も俺もっ!!」
この話に二人は目を輝かせる。亜衣利はにっこりと微笑み、近くの部屋へと向かっていく。平助たちも後を着いていき、亜衣利に続いて中に入れば、屡架と小夏が餡蜜を食べていた。
「ん?あれ、平助と新八さん?」
「そこにいたから連れてきた〜」
「あらあら、沖田さんに無言でいいの?」
「いいの〜沢山いると楽しいよ?」
亜衣利はにっこりと微笑むと屡架の隣に座り、平助達にも座るよう促す仕草をする。平助達が席に座れば、餡蜜を前へと差し出す。
「本当、亜衣利って甘味作るの上手いよなぁ〜味も最高だし。」
「こんな可愛い子彼女に欲しいぜ〜」
「新八さん、親父くさーい〜」
「男は皆、そうだぜ?なぁ、平助。」
「新八さんと同じにするなよな…」
「いいのか?この前、工藤みたいな娘好きなんだよな〜とか言ってたよな…」
「あ〜ッ!!言うなよッ!!新八さんだって…神咲さんの胸に顔埋めたいっとか言ってただろ?」
「それは言わない約束だろうがっ!!」
「あら…来ます?」
『えっ?』
新八の話を聞いていた屡架は手に持っていた物を置き、首を傾げて微笑み掛ける。その場にいた皆は、その発言に驚き屡架凝視する。
「いやいや、土方さんに殺されるッ!!」
「そうだよ、屡架…新八さんが死んじゃうよっ!!」
「後が大変だから止めてね…土方、止めるの大変だから…」
「って、大胆なんだね…神咲さん…」
「そうかしら?」
頬に手を添えニコニコと笑っている屡架に皆は溜め息をつく。そして、餡蜜を食べ始める。
しばらく話をしていれば、仕事を終えた土方達が部屋を訪れてきた。
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