本編
□ときめき変化
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「あれ?何かいらない人達までいる…」
「それって俺達か?」
「ひでぇ〜…」
「総ちゃん、私が呼んだの…ごめんね…」
「あぁ〜亜衣利は悪くないよ。ねぇ…僕も餡蜜食べたいなぁ〜」
謝ってくる亜衣利を優しく抱きしめ頭を撫でると、沖田は猫なで声ですり寄ってくる。亜衣利はそんな沖田の髪を撫でれば、餡蜜を作りに部屋を出ていく。沖田もその後を着いていく。
土方達も中に入れば、屡架達の近くに座る。居ずらくなった平助達は立ち上がり、部屋を出て行こうとする。
「あっ…平助、新八さん。」
「なに?」
「似合っていますよ。」
「ッ…おう、ありがとな…」
退出間際に言われたため、二人は少し照れながらニカッと微笑み、手を振り部屋を去っていく。
「あからさまに喜んでたね。」
「そうね…寂しそうにしてたから、良かったわ……って、土方さん?」
土方はにっこりと微笑む屡架の腰に手を回し抱き寄せる。それに不思議に思い首を傾げる。
「お前が俺以外の男に似合うとか言うから…」
「…嫉妬ですか?」
「悪いか?」
「いいえ…そんな土方さんも好きですよ?」
「はぁ…また、いちゃいちゃしてるわ…勘弁してほしいよ…」
小夏は目の前で絡み始める屡架達に溜め息をつき、斎藤をチラリと見つめる。目が合えばすぐ反らしてしまう小夏に不思議に思いながら、斎藤は顔を覗き込む。しかし、また直ぐに目を反らしてしまう。
「…やはり、似合わないか…」
「ち違うッ…そんなことない…ただ、格好良すぎて直視出来ないだけ…//」
「ッ…そ、そうか…//」
斎藤と小夏はお互いに言葉を発することなく顔を赤く染めている。
そんな空気のなか、餡蜜を持った亜衣利と沖田が中に入っていく。
「餡蜜持ってきました〜」
「ありがとう、亜衣利。」
「もう、お預けされるのつまんない…」
「うん♪食べよう?総ちゃん、ありがとう。」
亜衣利は沖田から餡蜜を受け取れば、土方と斎藤の前に置く。そして、座れば沖田の前にも餡蜜を置く。
「土方さんと斎藤さんのは、甘さ抑えてるから食べやすいと思います。総ちゃんは普通に甘いからね。」
「ありがとな…」
「恩にきる…」
「亜衣利、ありがとう〜」
3人はそれぞれ礼を言われば嬉しくてにっこりと微笑む。
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