本編
□酒は飲んでも飲まれるな
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「ねぇ小夏…本当に良いのかな?」
「わわ私、だって恥ずかしいよっ//1人は楽しそうだけど…」
「ん、私?楽しいわよ?」
「にゃぁ…遊女さんにしか見えにゃい…」
「確かに…」
店の一角で屡架達3人は騒いでいた。楽しんでいる屡架を余所に小夏と亜衣利はため息をつきながら少し気分が下がっている。そんな2人に疑問を浮かべる。
「ほら…沖田さんや斎藤さんに喜んでもらいたくないの?せっかく原田さんが考えてくださったのに……」
「だからって……なんで、芸子なのさっ//」
「着物おもーいッ…暑い……」
「我慢しなさい。そろそろ、土方さん達も来るでしょう…」
「うぅ…胃が痛くなってきた…」
「小夏、可愛くないにゃー…」
「っ…可愛さなんていらないのっ!!」
そんな感じで盛り上がっていると襖が開けられた。そこには君菊さんが立っていた。
「どうしたのですか?そんなに泣きそうな顔を……」
「だって…はーくんに会いたくない…//」
「にゃぁ…重症だにゃ〜…」
「そうね…駄目かもしれないわね……」
「そんなことを仰っても、もうお客様はお出でです。」
「あら、ならいかなくちゃ…」
「わぁー腕を引かないでー」
屡架は小夏の腕を引きながらずんずん歩いていく。亜衣利は君菊にペコッと頭を下げれば、にっこりと微笑みながら2人の後を追っていった。
「皆様、幸せそうですね…姫様にご報告しなければ…」
そう言い微笑みながら君菊は去っていった。
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