本編
□酒は飲んでも飲まれるな
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嬉しそうに微笑む亜衣利に屡架もつられて微笑んでしまう。そのまま、3人は奥へと進んでいった。
「総司の奴…」
「俺も手伝いたかった…」
残された2人はつまらなそうに待つことになった。
「お待たせしました。」
「おっ、やっとか…」
「すいません、長くなってしまって…」
「いや、大丈夫だ。」
屡架は膳を持ってきて並べ始める。少し遅れてから小夏たちも膳を運んできた。並べ終わると、屡架は土方の隣、亜衣利は沖田の隣、小夏は斎藤の隣へと腰を下ろす。
「では、そろそろ…始めましょうか…」
「の前に、何でお洒落をしているんだ?」
「そんなこと良いじゃないですか…貴方は隣にいる綺麗な花を見てれば良いんですよ。」
「うにゃ♪外の桜も見頃らしいよ?」
「そうなのか…なら、戸でも開けよう…」
「気が利くね、はーくん。ありがとう…」
斎藤が立ち上がり、戸を開けると満開の桜が出迎えてくれた。その桜を見て、皆は感嘆する。
「綺麗…//」
「ホントだにゃぁ…//」
「……桜ってこんなに綺麗なんだ…//」
(『綺麗なのはお前たちだ…//』)
桜に夢中な女性陣を余所に、男性陣は心の中でそう思っていた。
はっと、意識を戻した屡架は手を軽く叩く。すると、亜衣利たちの意識が屡架に向く。
「仕切り直して、晩酌をしましょう。土方さん、どうぞ…」
「……」
「あぁ…神咲ちゃん、土方さんはお酒に弱いから駄目だよ……」
「あら…そうなんですか?」
「にゃ…意外だにゃぁ〜」
「情けな…副長でしょう?」
「てめぇら……あぁ、飲んでやるよっ!!屡架、じゃんじゃん酒持ってこいっ!!」
「は、はいっ!!」
屡架は慌てて御酒の追加を持ってこようと立ち上がる。
「副長、大丈夫何ですか?」
「俺を見くびるなっ!!今に見てろよ、総司…」
「はいはい。」
「何か戦いになってるし…」
「気にしない方がいいにゃ……」
暫くして、屡架が御酒を持って帰ってくる。
「もっと、後から女将さんが持ってきてくれるそうですよ?」
「そうか…お前らもたくさん飲めよ。」
「なら、御言葉に甘えて♪亜衣利、酌して〜」
「うにゃ、どうぞ。」
「小夏、酌してもらえないか?」
「いいよ?」
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