本編

□動物パニック
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「にゃぁ〜んっ♪」


「きゃっ!!あ亜衣利ちゃん?」



亜衣利は勝手場に着けば、朝餉を作っていた屡架に抱きつく。突然の事に驚き持っていった皿を落としてしまう。抱きついてきたのが亜衣利と分かれば屡架はにっこりと微笑み頭を優しく撫でる。



「お腹減ったの?ちょっと待ってね。」


「屡架のお耳は兎さんっ!!」


「そうね。亜衣利ちゃんは猫さんなのね。可愛いわ…」


「神咲さんは冷静なんだね。」


「あら、沖田さんも猫さんなんですね。」



冷静な屡架を見て沖田は少し驚きながら、勝手場へ入っていく。屡架は沖田の頭に着いている耳を見て、小さく微笑めば"お揃いですね"と言い、また朝餉を作り始める。



「土方さんは何だった?」


「見れば分かりますよ。そっくりですから。」


「そっくりな動物?」


「えぇ。ふふ…亜衣利ちゃん、手伝って。」


「ほーい。総ちゃんは先に行ってて。」


「了解。気を付けてね。」



沖田はそう言って勝手場を後にする。そして、亜衣利は屡架に言われるまま朝餉の支度を手伝いをする。






「土方さ〜ん。」


「総司テメェ……」


「あはは、神咲さんの言うとおりだっ!!」



一足早く集会場に来ていた土方の頭を見れば、そこには狼の耳と尻尾が生えていた。それを見れば、さっきの屡架の言葉通りで耐えられず笑ってしまった。そんな沖田に怒りを感じ、こめかみをグリグリと攻め立てる。



「いっ!!やめて下さいよっ!!」


「テメェの仕業だろうよっ!!あ゛ぁ?」


「何で僕なんですかっ!!現に僕だって被害者なんですよ?」


「テメェの事だ…面白半分でやったんだろ?」


「……アハハ…バレるんですね……」



図星をつかれ沖田は苦笑いをして、土方から離れる。それと同時に朝餉が出来上がったのか屡架と亜衣利が部屋に来た。



「何をなさってるんですか?」


「いや…何でもねぇ。」


「そうですか?」


「ほぇ〜土方さん、尻尾出てる…何で?」


「あぁ…コレか?」


「私がやったのよ?ちょうど、尻尾の辺りに着物を切って尻尾を出せるようにしたの。亜衣利ちゃんもしてあげるわね。」


「にゃぁ〜んっ♪総ちゃんも良い?」


「えぇ。」



亜衣利は嬉しそうに朝餉を置いてにっこりと微笑む。









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