本編
□動物パニック
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「それにしても小夏ちゃん、遅いわね。」
「一君も。」
「屡架、呼んでこい。」
「はい。」
あまりにも遅くて、土方は屡架にそう言うと屡架は直ぐに部屋を出て、斎藤の部屋へと向かう。
「はーくんっ!!どうしよう〜尻尾、中にはいらなぁいよ〜…」
「どうしたものか…身体には巻けないか?」
「ぼふぼふしてて、無理だよ〜」
同じく小夏と斎藤も動物化をしていて、身支度に追われていた。小夏は狐化しているせいで尻尾が上手く隠せず泣きそうになっている。それに斎藤も慌て始める。
「失礼します。起きてらっしゃいますか?」
「屡架ぁ?」
屡架が来たことを知れば、小夏は襖を開け泣きそうになりながら名前を呼ぶ。そんな小夏を見て少し驚き優しく声を掛ける。
「どうしたの?何かあった?」
「うぅ…尻尾が服に入らないの〜どうしよう〜」
「あら…それなら私に任せて。」
「本当に?」
「えぇ。斎藤さん、少しよろしいですか?着物を調整したいので外へ……」
「あぁ…分かった。」
斎藤は頷けば、直ぐに部屋を出ていく。それを確認した屡架は小夏に服を脱ぐよう促し、着物を繕い始めた。
「はーくんっ見て見てぇ〜♪屡架がやってくれたぁ〜」
「そうか…良かったな。恩にきる。」
「いえいえ。では、参りましょうか。皆さん待ってらっしゃいます。」
「あぁ…」
「ほーい。」
3人は仲良く集会場へ向かう。
「やっと来たか。」
「ほにゃ?狐さんと犬さん。可愛い〜可愛い〜」
「あは…似合いすぎ。」
暫くして、集会場に着けば、待ちわびていたかのように土方は溜め息をつく。亜衣利は2人を見てにこやかに微笑み出す。沖田は可笑しそうに微笑む。小夏は恥ずかしそうに直ぐ様、朝餉の前に座る。斎藤たちも続いて座り始める。
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