本編
□女体化パニックっ!?
4ページ/5ページ
土方&屡架Side
「土方さん…大丈夫ですか?」
「あぁ…でも、胸が重くて辛いのが本音だ…」
「分かります…私も肩が凝ってしまって…」
「大変なんだな…」
「ふふふ…」
部屋に着き、土方は崩れ落ちるように壁に寄り掛かり、二人で話し始めていた。他愛もない話しにふと、屡架が動きを止め土方の顔を覗き込む。不思議そうに土方は首を傾げる。
「どうした?屡架…」
「土方さん、キレイですね…そうだっ!!ちょっと、待っててください…」
屡架は突然、部屋を飛び出していく。土方は何が起きたのか分からず、くつろぎ始める。暫くして、大荷物を持って戻ってきて。
「何を持ってきたんだ?」
「着物と化粧道具です。」
「何するつもりだ…?」
「土方さん…女になりましょうっ!!」
「はぁ!?本気で言ってるのか?」
「はいっ!!お願いします…」
屡架は涙目になり、土方にしがみつきながら願い請う。それに、顔を赤くして土方はため息をつく。
「仕方ねぇな…屡架の好きなようにしろ…」
「ありがとうございますっ!!じゃあ、脱いでくださいっ!!」
「楽しんでるな…」
土方は屡架の頭を優しく撫でると軽快に服を脱ぎ始める。
「今思えば、屡架と同じ大きさだ…」
「あら…本当ですね。着替えが大変になりそうだわっ♪」
屡架はそのまま、蝶を基調とした紫色の着物を着せ始める。その間は土方も覚悟を決めたのかじっと動かず、屡架に全てを任している。
「お化粧しなくても行けますね。後は、髪を結い上げて…」
屡架は土方の髪を解き、櫛で解かし始める。それが終われば、髪を結い上げて簪を刺す。
「出来たっ!!土方さん、見てくださいっ!!」
明るい声を出して、土方に手鏡を渡す。土方は自分の姿を鏡越しで見つめると絶句する。
「何か…男なのに似合うと心が痛いもんだな…」
「そんなことないですよっ!!土方さんは何をなさっても素晴らしいです…」
「屡架……」
「土方さん……」
屡架の言葉にときめいたのか少し頬を染めながら見つめる。屡架もそんな土方を見つめ、二人の世界を作り始める。
「はっ…ごめんなさいっ…御茶でも入れてきますね。」
屡架は急いで部屋を出ていった。
「恥ずかしがり屋だな…屡架も…」
→