本編
□十五夜
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「亜衣利ちゃん、黎、雪弥は甘味っ!!」
「ほいっ!!」
「私と小夏ちゃん、屡架ちゃんは料理っ!!」
「はいっ!!って何仕切ってんのよ…」
ビシビシと決めていく響に文句を言う小夏だが、響は無視して作業に取り掛かる。
<甘味部>
「何作りますか?」
「お月見団子とおはぎと…」
「…雪うさぎ…」
「雪うさぎ?」
「あぁ…雪弥ちゃんは多分ね。お餅で雪うさぎを作りたいだと思います。」
雪弥の言葉を伝達する黎に納得をした亜衣利はにっこりと雪弥に微笑み、「待っててください」と声を掛け、お餅作りに取り掛かる。
暫くして、亜衣利はひとつのお団子を雪弥の前に差し出す。
「こんなんですか?」
「っ…かわいぃ…//」
「本当ですね。亜衣利さん、手先器用ですね。」
「甘味屋の娘ですからっ!!あっ、食べてみてください。」
「…勿体無い…」
「そんなことないですよ。雪弥さんに食べてもらえたら、私嬉しいですっ!!」
「ほら、雪弥ちゃん。」
「…いただきます。」
雪弥は小さい雪うさぎを一口食べると口の中にあんこの甘さが広がる。
「美味しい…亜衣利ちゃん、凄い…」
「ありがとう〜何か嬉しいです//」
「思った事を言ったまで…//」
顔を赤くしながら言う雪弥に黎はにっこりと微笑み、2人に話し掛ける。
「どんどん作りましょう?間に合わなくなってしまいます。」
「うにゃっ!!頑張るぞ〜総ちゃんのためだっ!!」
「私も平助君のために…」
<料理部>
「よーしっ!!作るぞーっ!!……で、何作るんだ?」
「知らんくて進行してたのかっ!?何なんだ響はっ!!」
「来たばかりだから、分からないのは当たり前よ。肉じゃがと烏賊も焼かなくちゃっ!!」
突然、慌ただしくなる屡架にどうしたら良いのか分からず小夏と響は放心状態になる。
「ほらっ!!手伝ってっ!!」
「はいっ!!」
「了解っ!!」
屡架にビシっと指をさされ、2人は直ぐ様屡架に言われた通りの事をやる。
「響って料理出来なさそう…」
「…はぁ?出来るし馬鹿じゃないんですか?」
「馬鹿は余計…てか、うまっ!!」
「ふふふーんっ♪」
すらすらと食材を切っていく響に驚き、小夏は負けたように落ち込む。
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