本編
□十五夜
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「小夏ちゃんは料理下手だからね。」
「いっ言わないでよっ!!」
「そうなんだ…でも、そういう子も可愛いんじゃない?」
「変な事言うなっ!!//」
小夏は顔を赤くしてしながら材料をあぶっなっかしい手つきで切っていく。
「あはは…可愛いっ♪」
<お月見>
「お待たせしましたーっ!!」
「おせぇぞ?」
「しょうがないでしょ?人数多いんだからっ!!」
「ねぇ、亜衣利ちゃんは?」
「今から、来ますよ?」
「黎ちゃんは?」
「今から来る…」
「雪「うるさーいっ!!大人しくしてろっ!!」……はーい…」
彼女を気にする沖田と新八、平助に同じ事を聞かれ、小夏は痺れを切らし罵声を飛ばす。そんな小夏に斎藤は近づいていく。
「落ち着け。皆、待ち遠しいだけだ…現に俺もそうだった…」
「ほぇ?//」
「あのーそんなど真ん中で愛を繰り広げるな〜私たちが通れん…」
廊下の真ん中で抱き合う斎藤と小夏を響は、軽くあしらい持ってきた料理をその場に置く。
「…お酒は何処に…」
「雪弥、こっちこっち。」
「平助君っ!!//」
にっこりと微笑み、平助に近寄り近くに酒瓶を置く。そして、平助の腕に抱きつき甘え始める。その行動に亜衣利と屡架は驚く。
「…何かさっきと雰囲気が違う…」
「本当ね…人って怖いわ…」
「何ブツブツ言ってんだぁ?早く始めんぞ?」
「あっはい。今日は皆さんの為に私たちが頑張りましたからどうぞいただいてください。」
屡架の掛け声を元に皆、一斉に食べ始める。
「響、注いでくれ…」
「うんっ!!」
響は左之に呼ばれ、にっこりと微笑み歩み寄り、杯に酒を注ぎ始める。
「左之、島原行かなくても楽しめる?」
「当たり前だろ?ほら、こっち寄れ…」
「っ//左之、近いよ//」
「今更だろ…」
「何か愛を繰り広げちゃってるよ…はぁ…」
左之たちの近くにいた沖田はため息をつき、甘味を皆に分けている亜衣利を見て寂しく月を見ながら待っていた。
「総ちゃん?」
「亜衣利…お疲れ様。」
「ありがとう…総ちゃん、私の作ったお団子食べてくれる?」
亜衣利は少し控え目に小さいお団子を差し出す。それを良く見ると猫の顔をしていた。
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