本編
□鬼
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「千景……風間千景……」
「屡架、知ってるの?」
「土方さんが…近づいてはダメって……」
「はぁ!?じゃあ、何?華那はその危険人物の知り合いなわけ?」
屡架の言葉に小夏は華那の顔をジッと見つめる。華那は少し悲しい顔をして、頭を下げる。
「素性を言わず申し訳ありません。私は、風間華那……風間千景の妻です。」
「そうだったんですね。」
「私は、貴女たちと仲良くなりたくて……人と仲良くお話がしたくて…」
「人と仲良く?」
華那の言葉に小夏は首を傾げる。そして、華那はにっこりと微笑み、口を動かす。
「私は、鬼です。この風間千景も…」
「華那…余計な事を言うな…帰るぞ。」
「千景っ離しなさいっ!!」
「黙れ…静かにしないのならば口を塞ぐぞ…」
「……ごめんなさい。また、会いましょうね…」
千景に腕を引かれながらも華那はにっこりと微笑み返す。亜衣利たちは、二人の姿が見えなくなるまでたたずんでいた。
「何か意味深な感じだったね……」
「鬼ってなにかな?」
「土方さんに聞くしかないみたいね……」
三人はそう話し、屯所の中へと入っていった。
「華那さんとまた会えるかな?」
「会えるよ。絶対に……」
「そうね……」
END