本編

□鬼との再会
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あれから数日……



「屡架〜華那さん、連れてきたぁ〜」


「こんにちは…」


「あら、早かったわね。こんにちは。」


「華那さん。上がって上がって。」



数時間前に華那を迎えに行っていた亜衣利が帰ってくると小走りで屡架と小夏が現れる。丁寧に挨拶する屡架に対して小夏は華那の手を引き、中へと招き入れる。土方のいる客間へと通すと屡架は人数分の茶と菓子を用意する。



「わりぃな。皆、出払ってて俺しかいなくてよ……」


「いえ…私なんかを招いていただき真にありがとうございます。」


「お茶とお菓子どうぞ。」


「ありがとう。」


「で、単刀直入に聞くがお前も鬼なのか?」


「はい…この髪と瞳が証拠です。」



華那はそう言うと自分の髪を触り、一瞬悲しい顔をする。それを見逃さなかった土方は立ち上がる。



「……後は女同士で楽しんでくれ。」


「えっ?あの……」



土方は言葉を残すと部屋を去っていく。その行動に華那は呆気に取られ、言葉を失う。



「土方さんは認めてくれたんですよ。」


「認めた……?」


「あれでも土方さんはいい人なんだにゃ。」


「そうですね…良いお人です。とても羨ましいです。」


「風間千景は優しくないの?」


「優しいわよ?でも…なんだろう…私が素直じゃないからかな……」



華那は茶を啜りながら苦笑いをする。その話を聞くと小夏はちょっとだけ嬉しそうな顔をする。



「私と同じっ!!同じ〜」


「そこ喜ぶところじゃないような……」


「しょうがないわよ……同士を見つけてしまったんだから……」



抱きついて喜んでいる小夏を見て、屡架と亜衣利の二人は呆れて互いに笑いあう。すると、ドタドタと音を立てて客間の襖が勢いよく開く。



「ちょっと、あんたたち、私の約束忘れて何してんのよっ!!……って、誰?」


「響ちゃん…いきなりは失礼だよ…」


「お客様いるよ……」



皆が襖を見ると響と雪弥、黎が立っていた。互いに暫し視線を交わせば、響は客間へと進んでいく。そして、お構い無しに空いてる場所に座る。



「……あっ!!今日、響と甘味屋行く約束忘れてた。」


「……最低…楽しみにしてたのになぁ〜」


「だって、今日は華那さん来る予定が重なって……」



小夏は慌てながら必死に言い訳をする。












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