本編
□旅行
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「不知火、ありがとう…ここでいいわ…」
ある部屋に着き、華那はにっこりと微笑み、不知火から荷物を受け取る。
「後…雨霧に御茶と菓子をお願いしてきて?」
「へいへい……亜衣利って、言ったか?」
「はにゃ?」
「さっきは悪かったな…」
不知火はそう亜衣利に言い部屋をそそくさと出ていった。亜衣利はキョトンとしながら襖を見つめる。
「悪気はないのよ?いつもあんな感じだから…」
「にゃー…いい人ー」
「あっ、亜衣利がいい人って認識した…」
「沖田さんが知ったら大変だわ…」
「まぁ、亜衣利は総司しか好くじゃないもんねー」
「うにゃっ!!」
「あらあら、いい返事…」
「可愛い…」
「ほら、皆さん座ってください。」
華那は立っている皆に座るように促す。その言葉に皆は続々座り始める。
「失礼します…」
ちょうど御茶と菓子を持った雨霧が部屋に入ってくる。雨霧は素早く人数分の御茶と菓子を置くとすぐに出ていってしまった。
「つよそー…」
「ふふ…雨霧は斎藤さんと戦ったことがあるのよ?」
「えっ嘘っ!!ホントに?はーくん、負けそう…」
「アンタね…彼氏を信用しなさいよ…」
「原田さんは不知火とよ?」
「うわぁー…色男同士の戦い…」
「土方さんは私の夫と……皆さんには許されないことをしたわ…ごめんなさい…」
「あ、謝らないでくださいっ…もう、終わったことです…」
「そうです…もう、私たちはお友達です…」
「皆生きてる…」
「皆さん…ありがと…」
皆の慰めに華那は目に涙をため、にっこりと微笑む。それにつられて、周りも笑い始める。
「私たち、ここに来てまで彼氏の話なんだね…」
「そうね…皆さん、どうしてるのかしら?」
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