いろいろ
□銀高コラボ小説
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「うーん、アレ?こっちじゃねぇな・・・こっちか?」
「アーサー…なんかもうさっきからずぅっと同じとこグルグルしてるんだぞ。まったく、味覚音痴+方向音痴って最悪だな君は」
「うるっせぇ!大体こうして迷っちまったのも全部お前の責任だろうが!なにがハンバーガーのにおいだ!だよ!ふざけんなこのメタボ!」
「メタボじゃないよ筋肉だよ!とりあえずは菊の家に行くのが先決だろう?でも道に迷ったならそこらへんの人に聞けばいいじゃないか。さすが俺!頭良いぞ!」
「頭弱いの間違いだろばかぁ!」
「あ!丁度そこに人が!Excuse me!」
「英語で話しかけるな!」
※
久しぶりに高杉と一緒に帰ることが出来て柄にもなくはしゃいでいた俺はいきなり外国人二人に話しかけられたときはそりゃもう盛大に驚いた。
高杉も驚いたようでとっさに俺の袖を握ってきたのは可愛いと場違いに思ったりもした。
「Exsuse me!」
英語教師なんかとは比べ物にならない流暢な発音は俺のような日本人には聞き取りずらい。まぁ、発声方法すら少し違うらしいし。そんな発音にたじたじな俺を話かけてきたメガネで金髪のでかい外国人はニコニコと笑ってみている。
それにさらに高杉とふたりでキョドっていると金髪メガネの後ろから小柄で眉毛の印象が強すぎる外人がでてきて俺らにはなしかけた。
「失礼ですが、道に迷ってしまったのです。ここら辺のことは詳しいでしょうか?」
眉毛外人の口から流れたのはまごうことなかき日本語で少し拍子抜けした。いや、日本語でずいぶん助かったけど、さっきまで必死に英語で英語はなせないってなんというか考えていたから。
「ええ、ああ、まぁ、くわしいっちゃぁ、くわしいッスけども・・・」
少々どもりながら返事をする。ちなみにさっきから高杉は人見知り発動してだんまりをつらぬいて俺の袖につかまっている。
「そうですか。では・・・」
ここで眉毛の外人は携帯をとりだし画像を開いて俺に見せてきた。
「この家をしりませんか?本田菊という友人が住んでいるのです。」
そこにうつっていたのは、家というより城という言葉が似合う純和風の豪邸だった。だが俺はこんな豪邸はしらない。でも後ろの高杉は俺の袖をきゅ、と引っ張って俺この家知ってる、と小声で呟いた。
「では、道を教えてくれませんか?」
いつまでも紳士的に話す眉毛外人に高杉の気も少し緩まったようで、自分から口をひらいた。
「あ、でもここから行くとちょっと複雑だから、案内す・・・します」
「ありがとうございます。宜しく御願いします。」
「Thanks!」
にこり、とメガネ外人が笑った。
※
「俺の名前はアルフレッドっていうんだ!君はなんていうんだい?」
「あ、えと、高杉晋助。です」
「へぇ!coolな名前だね!しんすけの着てるそれはgakuranって奴かい?しんすけは何歳なんだい?ジュニアハイ?」
「じゅにっ・・・、高校生、18です」
「wow!だったら俺の一個下じゃないか!日本人は若くていいんだぞー!」
「はぁ、」
高杉の着ている学ランが気になるようで高杉の横を歩くアルフレッドと名乗ったメガネの外人から俺と眉毛の外人は数歩下がって歩く。
アルフレッドのなれなれしさに高杉はあきらかに目線が泳ぎ、途中で眉毛の外人が俺に謝ってきた。
「あの、なんかすいません」
「あー、気にしないで下さい」
とっさに口にでたのは勿論嘘だ。本当はアルフレッドと高杉にはもっと離れて歩いてほしいしもっというなら高杉に話しかけないで欲しい。
そんな俺の様子を察したのか、眉毛外人が口を開きアルフレッドに話しかけた。
「おい、アル、もっと離れて歩け」
「なんでだいアーサー」
「困ってるだろ」
「ええ!?別に困ってないだろう?な?しんすけ」
「えっ!」
急に話しを振られた高杉がびくんと震え、少し困ったように俺に目線で助けを求めてきた。そんな高杉の様子に気づかずアルフレッドはああ!と大きな声を出し、アーサーと呼ばれた眉毛外人に顔を近づけた。
「君、もしかしてそれjealousyかい?」
かなり小声だったが、ジェラシー、と聞こえた。
はて、ジェラシーか、どこかで聞いた事があるが、日本語ではどういう意味だったか。
その答えを見つけるのとアーサーが真っ赤になるのはほぼ同時だった。
「なっ、んなわけないだろ!このson of a bitch!別に俺はお前が菊ん家の奴と仲良くしてるからって別になんとも思ってないんだからな!」
「本当に口が悪いな君は!紳士はどうしたんだい!?」
「黙ればかぁ!」
きゃいきゃいと路上で叫ぶ外人二人をぼうっと眺めていると高杉がひょこひょこと俺の元へやってきて俺の服をきゅっと掴んだ。ナニソレ可愛い。じゃない。いや、可愛い事には変わりないが今問題なのはそうじゃない。
「銀八、お前、jealousyは知ってるよな?」
「ああ、まぁ流石にね…」
jealousy。意味は嫉妬。
これはもしかしなくても、こいつらは俺らと一緒な部類の人間かもしれない。
つまり、同性あ・・・
「アルフレッドさん、アーサーさん!ここにいらしたのですか、探しましたよ」
急に入ってきた他人の声に俺と高杉、そしてアルフレッドとアーサーも大げさに肩を揺らした。
その声を発したのは日本人だった。
俺より年は食ってないだろうその日本人の青年は時代錯誤に着物を着て草履を履いている。
もしかしてこの青年がさっき行っていた菊、だろうか。
「あっ、菊っ!」
「あっ…」
アーサーがさっきアルフレッドと喧嘩していたときとはまったく別の、詳しく言うと笑顔を見せ、その青年を菊とよび小走りで向かう。
それと同時にアルフレッドは名残惜しそうな顔を見せたのだがアーサーはそれに気づかない。それにアルフレッドは唇をとがらせ、fuck、と呟いたのを俺と高杉は聞き漏らさなかった。
そしてアルフレッドは不満顔のままアーサーと菊に近づいてゆき、「アーサーなんてくたばれ!」とその良く通る大声で叫んだ。
「なっ、くたばれってなんだよ兄に向かって!」
「誰が兄だい!俺は君の弟なんかじゃないんだぞ!もう体力も身長も国力も君を追い抜いたんだからな!」
「それに体重も加えとけよメタボ!」
「メタボじゃないってば!アーサーなんて嫌いだああああ!」
涙目になって反論するアルフレッドの嫌いという言葉に今度はアーサーの目に涙が溜まる。そしてアーサーが俺もお前なんて、だ、だいっ嫌いだ!と言い、アルフレッドが目に見えて慌てだしたところで菊が苦笑しながらまぁまぁ、と二人を宥めた。
なんというか、それは小学校低学年が好きな子を苛めて泣かせてしまいそれを先生が宥める図によく似ていた。
そんな3人を俺と高杉が少しはなれたところでぼうっと傍観していると菊がこちらに気づいたようでおや、と声を上げた。
「そちらのお二人は…?」
「ああ、忘れてたぞ!俺とアーサーを案内してくれた人たちさ!菊の家の人間は親切だよね!」
菊の疑問にケロリと泣き止んだアルフレッドが答える。アーサーはいまだ落ち込んでいたようなのだが、それでも顔を上げると俺たちの方に小走りで走ってきた。
「あの、ありがとう。本当に助かりました。」
そういって口角を上げるアーサーはさっきとはまるで別人で、それは老紳士めいたものも感じさせるほどだった。それに気にしないで下さい、と返事をすると菊も俺達のほうによってきた。
「本当にありがとうございました。私は本田菊と申します。アーサーさんとアルフレッドさんがなかなか来ないので心配していたんです。その制服は…、銀魂学校でしょうか?」
「ああ、俺は銀魂学校の国語教師で、こっちが生徒の高杉です。」
人見知りが発動してぴゃっと俺の後ろに隠れた高杉のかわりに俺が菊に返事をする。菊は「おや、教師と生徒、ですか、……新刊のネタにいいかもしれませんね…」と呟くといつのまにか隣に来ていたアルフレッドが「また新刊だすのかい?おじいちゃんなんだから徹夜とかすると体壊すぞ?」と言った。
「おじいちゃん?」
その言葉が気になって菊の容姿を見る。どう見たって20代前半がそれ以前だ。彼にその言葉は似合わない気がする。
「ええ、私、実は見かけによらずおじいちゃんなんですよ。」
「え、失礼ですが、何歳なんですか?」
「ええ、そうですねぇ、」
そこで菊は考えるように視線を宙にやる。
そして目を細めきゅうっと笑う。
「ざっと、2千から3千歳くらいじゃないでしょうか?」
「はぁ?」
「oh…、君ってそんなに生きてたのかい?ホント日本人は若づくりだな…。アーサーは今1000歳越したところらしいけど、アーサーと菊だったら菊のほうが年下に見えるときあるぞ?」
「まだまだ300歳にも満たない若者には負けませんよアルフレッドさん」
どうやら本当の年齢は教えてくれないらしい。それでも別にいいや、と思いじゃあ俺達はここで、と会話を打ち切り高杉と二人で歩き出す。
曲がりかどをまがりあの3人が見えなくなったのを確認してからそっと高杉の手をにぎると、高杉が顔を赤くした。
「ばか」
「はは、たかす「ばかばかばかばかアメリカのばかぁっ!」
遠くからアーサーの絶叫が聞こえてきた。なぜか入ったアメリカ、という単語を聞き、あ、とある憶測がうかぶ。
小さいころ読んだ本。そこには国が具体化して人間になると書いてあった。
もしかしたら。
「あのひとたちって…」
「なんだ?」
「んーん。なんでもなぁい」
「なんでだよ気になるな」
はっきりいえ、と言う唇にキスしてやると驚くほど真っ赤になった。
おわれ!
読み直ししてないから誤字とかおかしいとことかあるかもしれん。脳内補修してくださいorz眠い。管理人はいつも9時には寝てるのだ。いま9時16分だ。