小説
□お昼寝
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ポカポカと照りつける暖かい日差しが
もう春が終わることを告げているようで
なんだか少し寂しいような気もした。
「なーんかさー、眠くね?」
銀時が床を転がりながら言った。
白い着物は暑いからと脱ぎ、いまは黒い服しか着ていない。
「よくこんな暑い中で眠くなれるな。」
今室内温度は26℃、くらいだと思う。
万事屋に温度計は無いから分からない。
ていうかまだ夏じゃないのにどうしてこんなに暑いんだ。
部屋でそれくらいだったら外はどれだけ暑いのか。一応扇風機は機能をしてるのに。
「んー。じゃあ床に転がってみー?きもちーよー。」
語尾を延ばしながら俺にちょいちょいと手招きする銀時。
その手につられて床に転がってみることにした。
銀時の横に腰を下ろす。
銀時はおー、きたきたと言ってへらりと笑った。
「あー、たしかに冷たくてきもちーな。」
「でしょー?」
ひんやりとした床に背中があたって気持ちいい。
「・・・なんか眠くなってきた・・・。」
「ん・・・俺も・・・」
静かな室内。
外から聞こえてくる遠い子供の笑い声。
もうそんな時期かと心の中で呟いた。
もうすぐ梅雨に入るな。
そのあとは夏祭りか。
金魚柄の着物でも買っとくか。
あー、ほんとに眠くなってきた。
昨日の夜は遅かったから・・・
あ、
も、だめ・・・
「高杉ー。夜ご飯だよー。」
気がつくと銀時が俺の顔を覗きこんでいた。
それを見てあー、寝ちまったと思う。
外をみるともう暗くなっていた。
そして床の上に寝ていたはずの俺は銀時の布団へとワープしていた。
きっと銀時が運んだんだろう。
ぜんぜん気がつかなかった。
「あ・・・わかった。」
神楽が正座してソファに座っていた。
何故に正座?
「新八は?」
「あーもう帰ったよ?今日はお妙が帰り早いから二人で夕食食べるって。」
「そーか。今日の夕食は?」
「んー。ごーかだよ。シシャモ。」
「・・・・・。そうか。」
今度船の中にある食料こいつらに分けてやろうと思った。シシャモが豪華って。
「銀ちゃん、晋助っ!はやくはやくっ!」
神楽が待ちきれないと言った様子で叫んだ。
銀時が笑って答える。
「はいはい今行くから。いこう?高杉。」
「ん。」
銀時に手を引かれソファの上に座った。
お昼ね
明日に備えて早く寝るか。
え?今日昼ねしたから夜活動しないの?
そしたら今日の二の舞だろーが。
おわり