小説

□ずっときみの大切な幼馴染みでいること
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「彼氏が出来た」

「へぇ、よかったじゃねぇか」

この長年で嘘をつくのが上手くなった気がする。

帰り道、笑顔で俺に彼氏ができたことを報告する彼女は俺の幼馴染で小さいころからいつも一緒だった。

幼稚園のころからの友達。

大切な、大切な、俺の幼馴染。

その関係は今でも変わらず俺は彼女と「大切な幼馴染」を高校生になった今でも続けている。





「1年のときから片思いしてた奴なんだ。」







『大切な幼馴染』 ?





「それで、この間お前の事をそいつに話したらさ、お前と気が合いそうだから今度会いたいって。」







なぁ、しってるか?







「それで、今度一緒に出かけねェかって。」




俺が、お前のこと好きだってこと。







お前は鈍感だから気づかねェけど。

いくら二人で同じペットボトルで水を飲めたって、いくら二人っきりで遊びに行ったって。


お前には俺を友達としか認識できねぇんだもんな。

すげー嬉しかったんだよ。
間接キスとか。
だってそういうの嫌いな奴とはできねーじゃん。むしろよっぽど好きな奴とじゃなきゃ抵抗あるもんじゃん。普通はさ。

でも、

俺とお前との「好き」は意味が違うもんな。

likeとlove。

同じ「好き」って言葉なのに全然意味違うんだよ。








「お前女友達俺くらいしかいねぇだろ?だから彼女もできねぇんだよ。ついでにそのとき女紹介してやるからさ。」



一喜一憂してた俺が馬鹿みてぇ。





「どうゆうやつが好みなんだ?」




お前みたいな奴。


お前みたいに強がりで、口を開けばすぐ悪態ついて、行儀悪くて。

でも、ときどき見せる笑顔がすげー可愛い。






「・・・胸、がでかくて可愛けりゃどうでもいいよ。」


「サイテーな奴だな。」


冷めた目で睨まれた。


そうだ。
俺は最低だ。

今まで告白のチャンスはなんどでもあったのに。


自分の気持ちから逃げまくってた俺が今できること。






ずっときみの大切な幼馴染でいること




乾ききった目からはもうなにもでない。

お前のために流した涙は、もう。






おわり


彼氏はたぶん土方くんあたり。

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