BL短編

□親就/学園BASARA
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放課後





元就が帰ろうと席を立とうとすると、目の前に元親が立っていた



「よう毛利!今日は何の日か知ってるか?」

「ほわいとでー…というくだらぬ日であろう。言っておくが菓子はやらんぞ。」

「違ぇだろうが。そうじゃなくてよ……」

「何だ。早く言え。」

「だからよぉ…あれだ…あのー…」



はっきりしない態度をとった元親に痺れを切らしたた元就は、彼をよけ、教室を出ようとした
だが、それはできなかった
元親に手を掴まれたのだ



「離せ。」

「…あ、悪ぃ…。」



元就は少し驚いた
いつもなら「離せ、って言われて離す阿呆はいねぇよ!」などと言い返す奴が、今日は素直に謝り手を離したのだ
どうした、と聞こうと口を開こうとしたが、先に元親が喋った



「あ、あのよ、饅頭、好きか?」

「…好きだが?」

「あれだ、じゃあ、これやる。」



そういって元親が鞄から出したのは、近所でも有名な和菓子屋の饅頭
しかも箱入り
多分、値段も相当だ
元就はその箱をじっと見て、しばらくしてから受け取った



「珍しいな。ぷれぜんと、というやつか?」

「うるせぇ。」

「毒入りか?」

「んなわけあっかよ!…今日は何の日だ?」

「先程も言ったであろう。本日3月14日はほわいと…あ。」



3月14日
世に言うホワイトデー

だが元就にとっては、もっと特別な日であった。



「誕生日…!」

「やっと気づいたのかよ。」



もはや自分自身も忘れていた日
それを何故か、元親が覚えていたのだ



「何故、この日を知っていたのだ?」

「さぁな。それより、その赤い顔を先になんとかしろよ。
それにしても、あの冷徹智将さんのこんな表情が見れるんだったら、バイトした甲斐があるってモンだぜ。」

「き、貴様!我を愚弄する気か!?先程まで、告白前の女子高生の様な態度であった奴に言われる筋合いはない!」

「テメェ…、やっぱ饅頭返せ!」

「ならぬ!ぷれぜんとされたのだから、饅頭の所有権は我にある!大体、ばいとしてまで我に渡した理由はなんだ?まさかこの誕生日ぷれぜんとで恩を売るつもりではなかろうな!?」

「ちげえよ!俺はお前さんの事が好きでプレゼントしたんだよ!」
「…え?」

「あ…。」





しばらくの間、教室は静かになった
が、その後、顔を真っ赤にした2人が出て来たらしい







→あとがき
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