BL短編

□古キョン/涼宮ハルヒの憂鬱
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お互い、キスをしあった。
触れるだけから、濃い相手の中を探るようなモノまで。
離すとき、口から銀の糸が伝っているのが、なんともいえなかった。

ここは文芸部改め、SOS団の部室。
そこには俺と、自称超能力者兼俺の恋人がいる。
先程までバレンタインの事で一悶着あったが、まぁこうして更にイタいラブラブカップルになった訳である。







「僕のチョコは食べないとしても、涼宮さん達から貰ったチョコは食べないといけませんね。」


絶えず微笑を浮かべる古泉は、我らSOS団の女子から貰ったチョコを手に取った。
まぁ確かに、次の日感想を聞かれる気がする。
それでどもったりしたら、団長に締められる。絶対。


「おぅ、じゃあ食うか。」
「いただきます。」


同時に口の中に放り込む。


「甘っ。」
「…。」


古泉は甘いのが苦手なのか、包み紙に入っている手紙を見始める。
反対に俺は大好きなので、どんどん腹に収めていく。


「待ってください!」


10個あるうちの6個目に手をつけた時に静止がかかる。
なんで声デカいんだ?
あぁ、確かに食べ過ぎたかもな。


「ゴメン。食い過ぎだ。」
「何個食べました?」
「えっと…5個位。」


うわ、明らかに古泉の顔ひきつってるよ。
悪かったな、お前の分残さなくて。


「いえ…そうではなく…」


歯切れが悪いな、珍しい。


「じゃ、なに?」
「えー、あの、えっと」


はっきりしないのは苦手だから。
俺は、古泉から手紙を取り上げた。


「あ。」


バツの悪そうな顔のまま俯きやがった。
なんか、俺が悪いことでもしているみたいじゃないか。

『お二人さんへ

あたし達の作ったチョコはどう?
甘ったるめに作ってあるから、苦手かも知れないけど、全部食べるのよ!団長命令!』

ふむ。
ハルヒにしては、気を使ってるんじゃないか?
何気なく、6個目のチョコを口に含んでしまった。

『P.S.
今回、ホレ薬ってヤツを入れてみたわ。面白そうだったし。有効に使ってね。3個が適量みたいよ☆』

…おい!☆←じゃねーよ!何考えてんだよ!


「古泉。」
「…なんでしょう。」
「ホレ薬なんて本当にあるのか?」
「いや、無いとは思いますが…。」
「じゃあなんだ、コレは。」
「多分…」


そのまま古泉は黙って顔を赤くした。


「多分、なんだよ。」
「媚薬じゃ、ないでしょうか。」


び、や、く?
あの、よく恋愛系のマンガとかであるアレか?


「イヤ!ねぇって!んなの二次元での話だろ!ここは三次元、おーけー?」
「いや、現実にもありますが…僕もそう信じたいですけどね、もし涼宮さんの力が発動していたとしたら…」


出ちゃったよハルヒパワー。
…ちょっと待てよ。
適量が3個。食ったのは6個。
ヤバくねーか。
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