BL短編

□ゴシル/ポケスペ
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俺はワニノコを盗んだ後、しばらく街を歩いていた。

路地裏に差し掛かった所に看板があり、ポスターとかが貼ってある。
何気なくそれを読んでみる。
そしてある一つの紙に目が行った。
『この顔にピンと来たら110番!』
その下にはウツギ邸に強盗が入ったと書いてある。
俺の事か…。だが、俺の顔をみた奴なんて…、

いた。

あの、バカみたいなツンツン頭のやつ。
一刻も早く忘れてしまいたい奴だ。
だが、なかなか忘れられない。
しかも、何故か気になる。

そのまま、似顔絵の方に目がいく。


「…は?」


その絵をみて、俺は不覚にも声を出してしまう。
髪型、服、肌の色は良しとしよう。
だが、この目、鼻、口、頬はなんだ?

…もしかして奴の目は、もうダメなのか?
いや、バトルをしていたら分かるが、目は良いようだ。
バカの癖に。
だがなんでだ?なぜこうなる?
警察が勝手に作ったのか?
いや、そんな事したら確実に、国民から叩かれる。

…奴が嘘をついた?
そうだとしても何のために?

似顔絵が気になる。
奴が気になる。
なぜだ?

『指令』に必要の無いことは全て忘れるようにしてきた。
最近は勝手に頭から抜けるようになった。
だが今は、奴の事で頭がいっぱいだ。
こんなの俺らしくない!

考えながら路地を歩いた。



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