BL短編

□親+就/戦国BASARA
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4月、この学園に入学した。

我の頭では、余裕過ぎて反吐が出るくらいの学園だ。
選んだ理由はなんとなく、そう気分だった。
普段、我が感情論で動く事などない。
だが、入らないと何か損をする気がした、それだけだった。

式自体が終わり、将来有望そうな駒の顔を思い出しながら帰った。
黒髪の眼帯、運動馬鹿のような者、娯楽にうつつを抜かしそうな者…
特に気にかかるのは、白髪の眼帯。
一目見た時、得体の知れぬ何かを感じた。
その何かは分からない。

思索に耽っていると、後ろから思い切り肩を掴まれた。


「毛利!」


それは、白髪頭で眼帯をしている今日目を付けた駒だった。


「やっぱりお前、毛利だな!」
「…いかにも。」
「良かった、お前変わらないな。」

変わらない?
何を言っているのか分からない。
まるで知る顔を見たときのような笑顔。
人違いか?もしや、昔幼稚園で会った事があるのかもしれぬ。
記憶を巡るがやはり答えは出ず、


「時に、貴様誰だ。」


今までの笑顔が引きつったかと思うと、目を伏せてしまう。
何故だ、まるで我が悪いことをしたみたいではないか。


「あ、アハハ〜。だよな、普通はそうだよな。…俺は長曾我部元親ってんだ。よろしくな。」


そして、我の前に手を伸ばす。
思えば、このように声をかけられるのは初めてかもしれない。
無駄な事、特に人間関係は避けてきた。

これもまた一興か。
我はその手を掴んでやった。
これが、始まりだったのだ。
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