その他
□豊臣軍は今日も平和です。
3ページ/6ページ
朝は苦手だ。
太陽がまぶしい。
布団に潜ろうとしたが、秀吉様のご命令をがあるため急いで寝間着から普段着に着替える。
「さて…」
広間までは少し歩かなければいけない。
今日は秀吉様や半兵衛様といった上の方から、私たちのような家臣や兵たちも広間で食事ができるのだ。
流石秀吉様、心が広い。
広間の手前まで来た辺りで異変に気づく。
否、気づかない方がおかしいだろう。
襖の前に人だかりができていたのだ。
『おいおい、どうすんだよ』
『誰かどうにかしろよ』
明らかに襖の向こうで何かあるらしい。
私は人だかりの中から、適当に男の首根っこを持ち広間から遠のいた。
『ひ、あ…?石田様…?』
「あの人だかりはなんだ。」
『も、もうしわけないのですが、いえませぬ…』
…この反応から見るに家康の兵であろう。
「チッ、つかえないな。」
『ひぃぃ…』
実際に行ってみた方が早いであろう。
とりあえず、襖の前にいる人間を退かし耳を澄ませた。
「だーかーら、普通は醤油だよ!」
「塩だ。」
秀吉様と半兵衛様の怒鳴り声が聞こえる。
お二人が仲違いされることなど、なかなかない。
これは豊臣軍の危機かもしれない…!
「秀吉様、半兵衛様。三成でございます。」
.