恋戦隊☆LOVE&PEACE(短編)
□学園天国!?(ウルフ×グリーン)
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暑くもなく、寒くもなく、こう言うのを麗らかな秋晴れって言うんだろうな。
オレ達3Xの面々は、某有名大学の前で作戦の最終ミーティングを行っていた。
「ふふふ〜、今日はギッタンギッタンに張り切ってやるもんね!学園祭…キター!!」
「何か、チャラチャラした学生ばっかしやな…。この中に、メノスを背負って立つっちゅう、逞しいヤツはおるんかのう」
「私の、愛の奴隷に相応しい若い女性は、かなり居るようですよ?」
「とにかく、これはってヤツをスカウトするのが、X様の指示だろう?そんじゃ、手分けして探そうぜ〜」
そう、オレ達はこの大学の学園祭に、未来のメノス幹部候補生をスカウトする目的でやって来たんだ。
X様ってあったまいーよな!世の中じゃ、こういう事を青田買いって言うらしいぜ。
それにしても、学生って活気ある!見ているだけでもワクワクしちゃうぜー♪
食べ物売っている店もわんさかあるし、ゲームコーナーみたいな場所もある。まー、時間もいっぱいあるし、まずは腹ごしらえをするっきゃねーよな。
うし!最初はやっぱし、たこ焼きだろ〜♪
もぐもぐ…
「…タコ焼きは、ダークの手作りの方が美味しいなぁ…」
思わず独り言を呟いたオレっちに、学生っぽいお姉さんが声をかけてきた。
「ねぇ君。私、学園祭実行委員なんですけど…」
「…じっこーいいん?何?」
「コンテスト、出ませんか?」
「コンテスト?」
「一般参加者さんの御協力を頂いて、イケメンコンテストをするんです」
「…ふーん」
「もちろん、タダじゃありません。優勝すれば、豪華商品がどどーんと貰えますよ?」
「豪華商品…。美味しいもの、ある?」
「もちろんですよ!他にも色々貰えますよ」
「…やる!オレっち、美味いもん食べたい!」
「ありがとうございます!じゃあ早速、準備しましょう!」
すっげー♪超ラッキーじゃん。学園祭ってすっげーいいイベントなんだなぁ♪
「なぁなぁ、どこに行くんだ〜?」
「控え室です。コンテストは目玉企画なので、私達も力を入れていて…。OBのつてで、プロのヘアメイクさんとスタイリストさんが来てくれてるんです」
「それ…美味いの?」
「い、いえ。でも、行けば分かりますよ」
「そっか」
「ここです、控え室」
促されて部屋に入ると、コンテストに出ると思しきメンズたちと、準備に勤しんでいるスタッフっぽい人達が、忙しそうに作業を進めていた。
へー、結構本格的なんだな。
「すみません、最後の人をお連れしたので、お願いします〜」
「はい、こちらに…って、え!?」
お姉さんが、ある人に声をかけたんだけど…その人ってのが、予想外の人物でさ。
「あ…あああああ!グリーンじゃん♪」
「な、名前で呼べって!」
「おー、じゃあ、結っち♪」
「ど、どうも…ウルフ」
やべぇ!やっぱり今日、超ついてるかも!
嬉しさのあまり、結っちに飛びつこうとしたんだけど…。
「う、ウルフ、お座り!!」
「アオン♪」
「…効果、あるんだ」
「う…ちょっと、やめてくれよ!それこそオレっちの正体バレんじゃん」
「わかったけど…こっち座って!」
結っちは、有無を言わせずに窓際の鏡前に座らせると、ほかの人たちに分からないように、小さな声で色々聞いてくる。
「何でここにいるんだよ?」
「それは企業秘密ってヤツだぜ」
「…何か企んでるなら、皆を呼ぶけど」
「あー、破壊工作はしないから、それだけは安心していいよ」
「本当に?信じて良いのか?」
「オレっちの純粋な目を見ろよぉ…うるうる」
「…あっそ…分かったよ」
結っちはため息をつくと、オレの首にタオルを巻いて、何やら準備を始める。
「なあ…何すんの?」
「君、コンテスト出るんでしょ?だから、ヘアメイクを…」
「え?」
「ボク、ハートレンジャーの前は、美容師やってたから」
「マジで?」
「マジで!けど、何で君が出ることになったんだよ?」
「さっきのお姉さんにお願いされた。優勝すると、ご馳走食べられるんだって♪」
「…何かを狙ってるわけじゃ?」
「ないない!」
「ふーん…」
何だか蓮っちは、不信感MAXって感じだ。
まぁスカウト目的ではあるけれど、破壊工作をしに来た訳じゃないし。嘘は…ついてないよな!
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