乙草色

□レイン
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「ニール、レイン。新しいハンターとして、このシャント村での生活を認めます。家は隣同士なので、話し合い、好きな方を好きなように使って下さい」
「ありがとうございます」
「ありがとう、村長さん」
「ありがたいニャ」

早速、用意されていた家に向かうと部屋を決めて入った。
「キッチンがあるね」
「レイン、お腹はすいたかニャ?」
「ペコペコ〜」
ウォルは早速前掛けをすると材料を確認した。
「食べて具合が悪くなる物はあるのニャ?」
「無いよ〜?何が出来そうかな?」
「シモフリトマトのパスタならすぐ出来るニャ」
早速パスタを茹で始めるウォル。
「シモフリトマト?美味しそうだね」
「トマトは美容にも健康にもバツグンニャ!」
クツクツと煮えるトマトソースは、とてもいい匂いがする。
「出来たニャ」
「わぁ〜いただきます!」
「ついでだニャ。ニールにも食べさせるニャ」
温暖な気候が一年中続くシャント村の家に窓はあってもガラスが嵌まっていない。
「ニール!居るかニャ?!レインと一緒にご飯食べるかニャー?」
「作ってくれんなら食う!今行く!」
ドタバタと階段を駆け降りてまた上がってきたニールは、美味しそうなパスタに眼を輝かせた。
「私の料理、沢山食べるのニャ。おかわりもあるニャー!」
「いただきます!」

一通り食べてお腹がいっぱい。
「レイン」
ニールに呼ばれて振り向くと、唇を指でなぞられた。
トクン、と心臓が跳ねる。
「ソース付いてた」
「え、恥ずかしっ!」
「…そんなに顔が真っ赤だと、キスしそうになるな」
「…ぇ?」
「ニール、私のご主人に手を出したら私がお前を狩るニャ」
いつの間にか包丁を手にしていたウォル。
「じ、冗談です…」
「冗談には聞こえないニャ!覚悟するニャー!!」
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