番外編集
□願う未来
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「つ…、はぁっ、はぁっ…」
目の前に横たわった巨大な身体が消滅し始めるのを見ながら、レイドは呼吸を整える。
全身が酷く重い。
それに身体中が痛みを訴えていたが、それを堪え、ゆっくり歩きだす。
その間にも巨大な身体を持ったゼフィリアスの姿は消えていき、そこには七つの宝珠だけが残される。
重い身体を引き摺るように其処へ行き、剣を振り上げる。
「これで……、終わりだ!」
守護者としての力を剣に集め、一気に振り下ろす。
パキィィン
ゼフィリアスに使われた為、力が残っていなかったのか宝珠は呆気ないくらい簡単に砕け散った。
「これで……もう」
呟いて限界が来たのか、その場に膝をつく。
「う…ぐっ…」
激しくなる痛みに意識が飛びそうになるのを感じ、服のポケットから薬を出そうとして、レイドは手を止めた。
(何してんだ、俺。もう意味ないのにな)
そう思い、見た手は消えかかっていた。