頂き物T

□キミからの贈り物
1ページ/4ページ


“まっつ、初日おめでとう\(^^)/
そんで久しぶり!!
梅田で舞台出るの…って知ってるか(^^)d
火曜22時半くらいに大阪着くんだ〜
次の日休演日でしょ?
会おうよ!!!”




初日の幕が無事に開き、舞台から帰ってくると、そんなメールが届いてた


「相変わらず…だな」


変わらない彼女にちょっとホッとする

会えなくとも繋がっている親友
退団したからと言ってその関係が変わる訳じゃないけれど、やっぱり中々連絡しづらかった


“うん、ええよ
駅まで迎えに行こか?”


返信をする



園加…ずっと親友だった
けれどいつからか、それ以上の気持ちを持ってしまった
だけど、この関係を壊す事が怖くて…
ずっとずっと、自分の胸に仕舞ってきた
一度だけ…園加が退団を決意し私に告げた時に…抑えきれず、
「私を置いて辞めるなんて!!」
と泣きじゃくった事があった

園加は
「どこにいたって私はまっつの一番の味方だし、親友だよ」
そう返して、抱き締めてくれた
たぶん、私の本心は知らない
知らなくていい
ずっと園加の親友でいられるなら…




「おつかれ、何ボーッとしてるの?」


桂が横から声を掛けてきた


「あっ、おつかれ、ちょっと出し切り過ぎたかな…
あっ、園加が初日おめでとうってメールしてきたわ」


「律儀だね〜あっ私にも
“桂がんばれ!!”だって

ねえ、まっつ…私が言う事じゃないかもしれないけど…
園加とはどうなってるの?」


「えっ!?何?
どうって…変わらず親友だよ
来週舞台で大阪来るから会うけど…」


「そうじゃなくて…
私が気付いてないと思った?
まっつとはさ、ずっと離れていたから、余計に見えたのかもしれない
まっつにとって園加は特別な存在でしょ?
親友としてでなく、好きなんでしょ」


「桂…なに言って…」


「同期で同じ組の私にまで演じなくていいよ
まあ、楽屋でする話じゃないよね
今日さ、送ってよ」



出を済ませ、桂を愛車に乗せた


「まっつ、コーヒー1杯付き合ってよね」


なんて桂は言う
ようは、部屋に上がって行けって事のようだ
そして、私の本心を聞き出すつもりだ…


『私にまで演じなくていいよ』


桂の言葉が…私の救いの神になるように思えた…
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ