頂き物T

□どんなに離れていても
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『園加、壮さんって面白くてカッコええよなぁ…』


真夜中、ハッと目が覚めた。

それは遠い昔、まだ組に配属されたばかりの頃、まっつが言ってた事。

その後、私たちは色々あって付き合うようになり、今に至る。
ただの憧れだったと、まっつは言っていたけど…
何故、今さらそんな夢を見たのだろうか…



それは、壮さんからの電話のせいだろう。




『園加、元気しとる?』

『はい、元気です。どうしたんですか?
珍しいですね、壮さんから連絡下さるなんて…』

『いやな、キムの後釜に決まってん。
一応報告しとこと思ってな。』

『えっ!?ホントですか!!
おめでとうございます!!』

『喜んでくれる?』

『当たり前ですよ!!
わぁ〜良かった〜!!!』

『ありがとぉ。
…でさ、園加。まっつとはまだ続いてんねんな。
ウチ、まっつにめっちゃ興味あんねん。』

『えっ…?』

『園加…ちゃんと捕まえとかな…ウチが貰うよ』




今、私たちは東京と宝塚。
私が退団して、遠慮があるのか、まっつからはあまり連絡してこない。

『園加は新しい場所で頑張ってんから、邪魔になりたくない。』

まっつの口癖だ。


だから、私はその分メールや電話をする。
けれど…中々会う時間はとれない。
だから、壮さんの言葉が…
重くのしかかる。



気付いたら、時間など関係なく電話していた。
コール音を聞いている内に、我に返る。

こんな時間に迷惑だ、眠ってるよな…と切ろうとした所でプッと繋がった。



「…もしもし…どうしたん?」


少しだけ不機嫌な寝起きの、そして私を心配してくれている…いつもの声。

あぁ、まっつだ…
応えずにいると…



「園加?」

「あっ…ごめん、寝てたよね。ちょっと嫌な夢を見て…
まっつの声が聞きたくなって。
ごめんね、こんな時間に。」

「ううん、ええけど。
大丈夫?疲れてんちゃう?
頑張りすぎてない?」



まっつこそ、心配なくらい頑張りすぎてる…
けど、私の事を一番に労ってくれる。



「まっつ…会いたい。
もう随分会えてないよ。
ねえ、今からそっち行っていい?」


「何言ってんの。仕事あるやろ。」

「うん…そうなんだけど…
会いたいよ…
まっつを抱き締めたい。
仕事辞めちゃおうかなぁ〜」


「園加…」



まっつはきっと呆れてる。
自分で選んだ道なのに投げ出すような事を言う私。



「ごめん、ちょっと弱ってるのかな。
子供みたいなこと言って、ごめんね。
迷惑だよね〜!!」


「いや、園加…迷惑ちゃうよ。
…ねえ、園加、今から来てよ。私も会いたい。
園加に抱き締めて欲しい。」


「まっつ…」


まっつの声が、微かに震えてる。
…えっ、泣いてる?



「ワガママ言った、ごめんな。
園加…私も無理してた。
ホントはな、毎日でも会いたいし、声も聞きたい。
けど、頑張ってる園加の負担になりたくないから、遠慮してた…」


…同じ気持ちだったんだ。



「まっつ…やっぱり今からは行けない。
仕事頑張らなきゃいけないもんね。
まっつの声聞いて、まっつも私に会いたいって言ってくれたから…頑張れる。
週末…1日オフがあるからそっちに行く。」


「園加…時間無いかもしれないよ。」


「いいの、今まで、お互いの時間が、と思ったけど、5分でも10分でもまっつに会えるなら…会いに行く。
まっつに会わないから…弱ったんだよ私。
弾丸スケジュールでも、会えたら元気になれるし!!
まっつは迷惑?」


「ううん、嬉しい…
待ってる…待ってるよ。」


そうたやすく、壮さんに渡すわけにはいかない。
いや、他の誰にも渡さない。

まっつとは、この先ずっと…場所は離れていても、共に歩むんだ。




「まっつ…ありがと。
おやすみ。」

「うん、おやすみ。園加…」



プッと切れた電話を…握りしめたまま、ベッドに横たわった。
もう、今日は何も心配なく眠れる…
そう思った…



fin.

真彩
2013.01.20

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆


真彩様

今回も可愛いおふたりをありがとうございました
一瞬顔を見るだけでも会いたい気持ちなんだね〜(涙)←
[そのまつ]ってどーしてこんなに萌ツボにはまるのかしら〜!?
やはり同期生マジック!?
いつもアリガトウ( v^-゜)♪
未希

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