頂き物T

□あなたがほしい
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やっともぎ取った休日。

まっつに電話した時は
実は、まだ休みじゃなかった。
だけど、あの時、まっつの声色に涙が滲んでたから…
「休みだから会いに行く!!」
と言わなければならない気がしたのだ…


色んな事を、いつにない勢いで片付け、
何とか時間を作った。

だけど、滞在時間は3時間しかない。


まっつもお稽古があるし…
本当に会えるのか…




「あっ、まっつ。
来ちゃった。もうお稽古場?」


『園加、来てくれたんだ。
まだ家だよ。あと1時間ちょっとくらいしたら出ないといけないんやけど…』


「じゃ家にいて!! 10分で行くから!!」




オートロックを開けてもらい、エレベータに飛び乗る。
扉が開くと同時に駆け出した。
角を曲がればまっつの部屋だ。
角を曲がったら…



まっつが…
まっつの黒くて深くて大きな瞳から…
今にも涙が溢れんばかりで…
だけど笑顔で私を迎えてくれている。



駆け寄って、抱き締めて…
きつく、もう離したくない。


玄関の扉を閉めて、更にきつくまっつを抱き締めた。


「っ園、加…くるし…」



少し緩めて、瞳を覗く。
私を真っ直ぐに射るように見つめる瞳。


堪らず…まっつの薄い唇に自分のそれを押し当てる。


会えなかった時間を取り戻すように、深く口付けをした。



「まっつ…まっつが欲しい…止まらないよ。
ダメかな…お稽古前だし…」


「ううん、園加、止めないで…大丈夫だから。
私も園加が欲しいの。」



こんなにお互いを欲した事があっただろうか…



時間の許す限り、私たちはお互いを求めあった。






「まっつ…ごめん、大丈夫?
身体キツくない?」


「大丈夫だよ。
園加に会えた、園加が私を求めてくれた、
それだけで、頑張れるから。
まだ一緒にいたいけど…行かなきゃ。
お稽古頑張ってくる。
園加はまだいれるの?」



「ごめん、お休み丸一日取れなかった…
まっつがお稽古から帰るまでいれない…
もう東京帰らなきゃ…」



「そっか…」



「また何とか時間を作るから…また来るから。」



「うん、今度は私が園加の元へ行くよ。」



もう一度、ぎゅっとまっつを抱き締めた。
彼女を自分の腕に記憶させるように…



「まっつ、もう一度キスしていい?」


「うん。」



もう一度、キスをした。
彼女を自分の唇に記憶させるように…






「じゃ、園加行ってくるね。」



「うん、行ってらっしゃい。」




私たちはお互いがお互いを求める限り…大丈夫だ。

まっつを送り出した扉を見つめて、そう思ったのだった。




fin.


真彩
2013.3.13

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆


真彩様へ

いつも素敵な[そのまつ]小説をありがとうございますm(__)m
真彩様のパンダさんが可愛くて大好きです!!
同期生CPって萌えの宝庫ですね(´∇`)

未希

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