デビル 吸血神

□ プロローグ
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― 2月29日[] ―


僕は家にいられなくて外に出た。


涼しい風が肌にあたる。


人間を1人・・・


また1人と

見ただけで体が餓える・・・




  ホシイノ・・・


     アカイモノガ・・・




僕の体のどこかで


囁く




  チガウ


  ボクハ


   ニンゲンダ!




否定する僕もいる。


頭がおかしくなりそう・・・




 ホントウニ


   ニンゲンダト


  オモウノカ?




体のどこかでまた・・・


囁く



もしかしたら・・

僕は


  『ヴァンパイア』

でも

  『人間』


でもない!





のかも―・・・



じゃぁ何だ!!



僕は自分を知りたい。



「今日は満月・・・か・・・」




そりゃー


世の中には満月が嫌いな奴もいるだろう―・・・


満月を見ると




  カナシクナル




心が泣いてるんだ。


だからもう

満月は見ない。



今にも涙が出そう・・・
         なのに・・・



涙が出て来ない。





愚かだ・・・


   『人間』


は簡単なことで

泣く・・・




ナゼ?


ナクノ?




僕には無理みたいだ。


今まで


   『人間』


として生きてきたから・・・


家族は、 


何ひとつ教えてはくれなかった。


黙っていた・・・



そう・・・


僕は恐ろしい生き物だから・・・



言ったから殺されるとでも


思ったのかなぁ?




まぁそりゃーそうだよね―・・・



   『人間』


の皮をかぶった


   『人間』

でも

   『ヴァンパイア』


どもない生き物が


1つの屋根の下で暮らしていたのだから・・・




僕だったら逃げてる。




だから

僕も逃がしてやろうと思った。




無理だった。


本能に逆らえず



今まで暮らしてきた家族を殺してしまったのだから・・・





どんな生き物から生まれてきたのかなぁ〜
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