HERO ACA

□ヒーローになりたかった少年の物語
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校庭で行われた、俺と教え子の一騎打ち。


A組も含め全校生徒は教室で待機させられており、窓に張り付きながら固唾を飲んで俺たちを見ている。


他の先生方は万が一俺に何かあった際、目の前のコイツを即座に拘束できるよう最大限に警戒していた。


『たぁっぷり遊びたいとこ悪いんだけどさァ、センセェ...時間がサァ...あんまないんだよねェ』


久坂が、コスチュームではない見慣れぬ黒い手袋を片手にはめながらニヒルに嗤う。



































久坂が手袋をはめていない方の手を振って、言った。



『個性上限ギリッギリまで上空に移動させられて落ちて死ぬのとさァ...』





































今度は手袋をはめている方の手を振って、言った。



『神経毒のたぁっぷり塗ってある毒針で極限まで苦しんで死ぬのだったらさァ...』









































『どっちがいーい?相澤センセェ』


黒い手袋の先から、シャキンと音をたてて出てきた1センチほどの短い針が、太陽の光をキラリと反射させていた。


まるで、獲物を狩ろうとする獣の瞳を遠目に見ているようだった。












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