HERO ACA

□ヒーローになりたかった少年の物語
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久坂 マコト。


"瞬間移動"の個性の持ち主。


轟や八百万と同じく推薦入学者だ。


指先で触れたものを半径1キロの範囲なら正確に移動させることができる。


また、正確さは失われるものの、最大5キロや10キロもの遠距離移動をさせることもある。


「(上空5キロから10キロ...真上ではなく、どこに飛ばされるか分かったもんじゃない)」


飛ばされた先が分からなければ、オールマイトでも救出が間に合うかどうか不明。


あるいは教師陣から死角、かつ捕縛布で掴まれそうなものがない場所に飛ばされても終わりだろう。


『じゃあ、センセェ』


「(こんな厄介なやつをヒーローとして相手にする日が来るとはな...!)」


『いっくよォ〜?』


































久坂は個性を止めているにも関わらず、いとも簡単に捕縛布を避ける。


「(反射、体力、直感。全てにおいて他の生徒とは一線を画してやがる...!!!)」


どんどん縮められてくる間合い。


『センセェ、俺ちゃあんと、数えてるからねェ』


インターバルの時間はすでにバレている。


ならば時間いっぱいまで個性を連続使用するのはかなり危険だ。


そう判断して俺はあえて久坂に問いかけた。


「久坂!!!なぜ、お前がこんなバカな真似を!!!」


一瞬でも動揺させられば、もしかしたら拘束のチャンスがあるかもしれない。


そうでなくとも"まばたき"するのぐらいは誤魔化せるだろう。






























そう思ってまばたきをした直後。

































久坂に動揺は与えられず、逆に"瞬間移動"のチャンスをやってしまったらしい。


次の瞬間には耳元で久坂の声がした。


『俺を、見てよ、センセ』


さっきのように狂った声ではない、"普通"の久坂の声が耳元で聞こえた。


そして目を開けた次の瞬間ーーーーーー

































シュッ






























「ッ,,,!?」


スプレーで何かの液体をかけられ、再び目を閉じてしまった。


その瞬間、胸にチクリと小さな痛みが走った。































毒、針。








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