HERO ACA
□ヒーローになりたかった少年の物語
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終わった、と思った。
マイクの声がやけに遠くに聞こえた。
生徒たちの叫び声も聞こえる、もちろんA組の声も。
情けないことに、毒の苦しみに恐怖した。
目をぎゅっと瞑って恐怖に耐える。
その迫り来る一瞬が、数秒にも、数十秒にも感じられた。
体感時間にしてもあまりに長いタイムラグに思わず目を開けると、
「...は?」
俺の目の前にいたのは、教室で待機させていたはずのA組の生徒たち。
見慣れた教室、固まる俺と生徒たち。
「え、相澤先生・・・?」
緑谷の声でフリーズしていた思考が急速に動き出した。
俺が、移動させられたんだ。
そして、突如校庭に響き渡った、爆発音。
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