JOJO
□転校生はスタンド使い?
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そいつは夏が始まる少し前に杜王町にやってきた。
「はい、じゃあ五月雨くん、自己紹介を」
「皆さん、はじめまして。五月雨 夜時です。
両親の都合でイギリスから日本に戻ってきました。
久しぶりの日本で色々皆さんにご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします。」
パチパチパチ、と彼を歓迎するクラスに俺も適当に手を打った。
担任に指定されたソイツの顔を俺は少し後ろからぼーっと眺める。
ソイツの黒髪は、闇夜の漆黒のように深い色を帯びていて、艶やかで、美しいと思った。
そして瞳は、闇夜で光る満月のように、さらに美しい輝きを放っていた。
綺麗、だなんて言葉では足りないと思った。
俺の目は、ソイツが早退する4時間目の終わりまでずっとその綺麗な姿を追いかけた。
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