名探偵

□さよならエデン
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森の奥深く、月明かりの下で、


酷く怯える女と、それを冷めた目で見下す男。


「や、やめて殺さないで...!」


『テメーの罪だ。テメーでちゃんと償え』


「イ、イヤッ!!!まだ死にたくない!!!」


『テメーにかける情けなんてねーよ』


「まだ...まだキャラ全員に会えてないのに!!!!!」
























『チッ...じゃーな。来世ではもっとマトモな人間になれよ』


火遁、豪火球の術。
























火だるまになり絶叫する女を見つめる男。


『テメーはこの"NARUTO"の世界に来るために、関係ない一家を放火で焼き殺した』


空を割かんばかりの絶叫に男は眉を寄せるが、目をそらそうとはしない。


『"トリッパーハンター"日野雅治の名の下に、お前を一家と同じ死に様として...火炙りの刑に処す』


そのうち悲鳴も聞こえなくなり、火に包まれたまま何度か大きく痙攣したソレはそれ以降一切動かなくなった。


雅治は少し離れたところの木にもたれかかり、女の最期を見届ける。


『テメーが199人目の"トリッパー"...次の世界でついに最後の奴の始末だな』


雅治が吹いた火は、女の髪も、肉も、骨すらも燃やし尽くし、やがて燃やすモノが失くなった火は徐々に収束し始める。


『ここまで随分長かった...俺がコイツら"トリッパー"を始末し始めてもう何年経ったか...』


周りの木に燃え移ってしまった火を水遁で消し、男は女...否、灰に視線を落とした。


『"自身の命と生贄の命を指定の方法で消せば、好きな世界に逝かせてやる"だなんて、そんな甘い言葉に200人もの人間がノったと思うと、俺は同じ人間としてテメーらを軽蔑するぜ』



























『あばよ、トリッパー。来世では二度と人様の命に手ェだすんじゃねーぞ』


























男はそう言うと、その場から姿を消した。

























数日後、木の葉と砂の里では盛大な祭りが催された。


表面上は、木の葉と砂の同盟記念祭。


裏ではそうーーーーーーー

























火影ナルトと風影我愛羅から、そしてその周りの者たちから日野雅治に捧げる、感謝の祭りであった。


祭りは1週間続き、そして両里には今度こそ平和と平穏が戻ったという。


























これは、己の欲望によって他人の命を奪った"トリッパー"を


日野雅治が世界を超えて始末する物語である。




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