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□お姫様のイタズラ
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それに気付いたのは、少し遅かった
すぐさまレンに背を向ける
エルクリアの居場所は、おそらく商区か上区
そう目星を付けたジグは、全力で走り出す
…が
「ジグ?」
商区に入るなり、ファズと遭遇した
…会いたくなかったな
「すまない、今急いでいるんだ」
そう言い残し、逃げるように走り去った
何となく、言い辛かったのだ
ファズから貰ったブレスを取り戻す為に、奔走しているなど
「見つけたぞ」
エルクリアを見つけた俺は、再びエルクリア相手にバトルはめになった
* * *
それから、エルクリアはロビーナに
ロビーナはリリアに
リリアはノーチェに
ノーチェはツァーフリアに
といった具合に、たらい回しにされ、結局は
「振り出し…か」
「随分とお疲れのようですね、ジグさん」
「誰の所為だ」
睨み付けるが、レンは楽しそうに笑うだけ
「明日、私とデートしてくださったら、返してあげます」
最初と同じ言葉を繰り返すレン
明日はダメだ
とても大切な先約がある
そう、とても大切な…
「明日は、おれとデートの約束があるんだ。勘弁してくれないか?」
「ファズさん!?あ…」
レンの後ろに立つファズ
ファズの手には、あのブレス
変わりに、レンの手の中は空になっていた
「ファズさんばっかり、ズルいです。私だって、ジグさんが好きなのに…」
拗ねた子供のような反応
暫く俯いていたが、急にキッとファズを睨み
「いつか奪ってみせますからね!」
そう言い残し、走り去っていった