ロイエド
□sorrow sorrow sorrow, and...?
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俺はこの先、どうするのだろう?
賢者の石?アルの体?
体は絶対取り戻す。
その後はきっと、アルのリハビリでリゼンブールに戻って…。
でも、その先は?
もっと遠く、10年後や20年後では、俺は何をしてるんだろう?
そうだな…、考えた事はなかったけど、きっと――――。
俺は、当たり前に10年後も20年後も錬金術で食べていくのだと思っていた。
それはもう、ヒトが息の仕方を考えない程自然に――――。
けれど、現実は違っていて。
アルの体を取り戻すための“対価”。
それは、俺の“肉体”であり“魂”であったはずのモノ。
別に、“ソレ”が無くたって、体が死んでしまう訳じゃない。
アルの体の為だから、後悔も恨みもない。
それに、俺には“仲間”が出来たから、もう“ソレ”は無くていい。
そう、思っていたのに。
…そう、信じていたのに。
俺は無意識の内に、いつも両手を合わせている。
そう…、息をするくらい自然に。
でも、いくら両手を合わせても、何も変わることはなく。
その度に思う。
あぁ、俺は死んでるのかな、って。
だって、そうだろう?
ヒトが息の仕方を忘れたら、死んでしまうのだから―――。
end...
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