ロイエド
□ある日それは起こってしまった。
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ある日それは起こってしまった。
東方指令部、図書館。
エドワードという名の少年が、熱心に本を読んでおりました。
現れる人影。
真っ直ぐエドの方へ向かって来ます。
な、なんか危ないっ!
何がって、雰囲気が!!
「……そうか、だからこの物質は…」
ってか、全然気付いてないしΣ
いつものあの過敏さはどこに行ったんですかっ!
あんなにやけた顔の親父の雰囲気なんて、一発でしょ!?
「…エド」
…やばい!
エドが男の毒牙に…
逃げてーーー…え?
「何やってんだよ、エロ大佐!」
…エドワードさん、今男の腕から逃げました?
なんかしゃがみ込む感じで。
お陰で男の腕は空を切りましたけど…。
気付いてたのかッ!!
流石…エド…。
と、感動に浸ってる場合じゃあないんです。
男の攻撃再開してるし!
「エド、一瞬でいいから抱き締めさせておくれ!!」
とか言いながら。
でも、エドがこんな男に負ける筈がありません。
今だって、しゃがんだエドの方に伸びた腕を今度はジャンプでかわして、はいそのまま宙返り
。
ちゃっかり2m程離れました。
かっ、格好良い…!!
そしてそのまま、はっやい足で逃げてゆきます。
逃げることも戦術だよね!
でも、いい加減にしてほしいのがこの男。
性懲りもなくエドのこと追いかけて行っちゃったよ…。
〜訓練場にて〜
「毎度毎度てめぇ、いい加減にしろよ!」
「何を言っている。君が、帰ってくるなり恋人をほったらかしにして図書館に行ってしまうのだから仕方がないだろう!!」
ぜっんぜん仕方なく無いですから!!
というかエド、追い付かれてしまったのか…。
「大体てめぇ、裏道使ってここで待ち伏せとか反則だろ!!」
あ、そういう事だったんですか。
良かった…って、やっぱり全ての原因はあの男か!!
「良いじゃないか、連れない恋人に会うためだよ」
「良くねぇ!!」
パンッ!!
訓練場に青白い稲妻が…って、機械鎧変形させてなにやってるんですか。
本気ですかエドワードさん。
「うりゃあ!!」
やる気ですねエドワードさん。
全力で応援しますよ!!
「このっ!避けんな!!」
「当たったら痛いじゃないか」
「なめたこと言ってんじゃねーッ!!」
「その機械鎧は本気だろう…」
「ったりめーだっ!はッ!!」
「君の攻撃はパターンなんだよ」
「なら!これは、どーだよ!?」
「流石…っ、最年少国家錬金術師だな!…だがっ」
パチンッ
「うぉ!?手袋持ってたのかっ」
「軍人はどんな事態にも対応出来るようにしておかないといけないからな」
「それならっ、戦い方を変えるまでっ!!」
パンッ!!
「くっ…足元かっ」
…あ、あのぅ。
いつまでやっていらっしゃるんでしょうか…;;
二人とも、当初の目的忘れてますね…。
じゃあ、この辺りで退席しましょうか。
その後日が陰るまで続いた戦いは、ホークアイ中尉の銃声によって終結しましたとさ。
おしまい。
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