TOX2

□05:自然豊かな場所
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あれから
防ぎようのないクロノスの攻撃から逃れられたのは正史世界のユリウスのおかげだった
攻撃を防ごうと前線に立とうとしたルウィナを止めたのはユリウスとルドガーで
二人の時計の力が合わさったからなのか、現れた狭間に一同は逃げ込んだ

はずだった


「世界自体は変わってない。それで此処は多分リーゼ・マクシア」


此処にいるのが私だけって、仲間はずれなのかな
ユリウス兄さんとルドガーに手を引かれてたはずなのにな


下を見下ろそうとしても霧?雲?に包まれていて下が見えない
とりあえず下るだけ下ってみようと振り返った瞬間、立った今登ってきたのであろう人影が見えた


「精霊?」

「なぜ人間が此処にいる!」

「あらビックリ」


いきなりグラビティは無いと思います
これどうしようか
あの人(いや、精霊?)時歪の因子の気配がするしな

考えている間も次々と術が飛んでくる
それらをひらひらと避けてあることに気付く


「(目が見えてないね)」

「私が此処に毎日来なきゃいけないのも!あの方が帰還を許可してくれないから!」

「(話が通じる相手でもないかな)」


なら、力ずくだよね


「・・・よ、彼の者に驟雨(しゅうう)の如く打ち付けよ、グラビティブレス!」

「キャアァッ!!」


あ、やりすぎた?
精霊術を使うの久しぶり、というか初めてだから加減が上手くできなかったなぁ

大丈夫かと恐る恐る近づいてみる
あ、気を失ってる


「記憶が消えてるのを願って・・・放って置こう」


冷たいという事なかれ
キリが晴れてしたが見えるようになってから眼下を除くと魔物が沢山いた
いちいち相手をしながら降りていたら人里に行けるのが何時のことになるのか分からないために・・・


「よし!飛び降りよう」


周囲に風の膜をはってえいっと飛び降りる
結構なスピードは出ているものの、地面に着地するときには風が衝撃を緩和したからそんなに足は痛くならなかった


「貴女誰?」

「ふえっ?!」


いきなり背後から聞こえてきた声に驚く
慣れない術を使った後、集中力が切れていたからだと思いたい


「質問に答えなさいよ。ここは霊山。誰も入ることは許可してないわ」

「御免なさい・・・私気付いたらここにいて。一緒にいたはずの人も目を覚ましたら居なかったし・・・」

「ちょっ、ちょっと!」


あれ、言葉に出すと悲しくなってきた
小さいころに約束したのに速攻で破ってしまった私への罰なのかな
いきなり泣き出してごめんなさい、美人なお姉さん・・・

グゥ・・・


「うぅ・・・」


もう私穴があったら入りたい・・・
思えばアスコルドで目が覚めてから何も食べてない
目の前のお姉さんなんかおろおろしてたと思ったら呆れたみたいにため息吐かれたし!


「・・・まぁ良いわ。私も姉さんをここに送って来ただけでもう帰るし。ニ・アケリアに帰ったら何か作ってあげる」

「ほんと?」

「本当。ただし、味の保証はしないわよ」

「ありがとう!」


大丈夫!空腹は最大の調味料って言うし!
多分お姉さんの作る料理はおいしいと思うし!

ルドガー達といたときとは打って変わって幼い子供がするようにぴょんぴょん飛び跳ねて喜ぶルウィナにお姉さんも口元が緩んでいた


「そうだ、私はルウィナ・F・フィールです」

「ミラ=マクスウェルよ」


笑いながら手を差し出すと意図を組みとってくれたのか手を取って握り返してくれる
年上なんだろうけど、同じくらいの年の女の子いなかったからなんか嬉しいな


「道中魔物が出るんだけど、戦えるの?」

「一応武器はあるよ戦輪」


ポシェットから取り出したそれは透明で特殊な鉱石で作られていると聞かされている
因みにお父様が作りました





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