TOX2
□20.終わりへの序章
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「で、実際その湖に行ってみるの?」
「他にはこれと言って有力な情報が手に入ってないからな、仕方がない」
カラハ・シャールで集めた情報から一行は更に情報を確かめるためにドヴォールへ向こうこととなった
「で、結局ローエンだけじゃなくてエリーゼも死んでしまってて、生死不明なのはルドガーとミラとミュゼだけなのかな・・・」
「ルウィナもしんでたね・・・」
「私は随分前だったらしいけど」
「お前冷静だなぁ」
だって知ってるからなんてことは言えない
私が死んだ時間が違うのは皆を殺した人と私を殺した人が違うだけであって
「分史世界の皆が見つかったのはカタマルカ高原の向こうの湖らしいけど、行く?」
「また他に情報が得られなかったからな」
「前に道標を取りに行ったのも其処だったよね?この世界では源黒匣も完成してるみたいだし、そこも水が戻ってるんだ・・・」
「ルウィナ・・・」
「大丈夫だよ、エルちゃん。信じて、約束だよ」
「うん、エル、ヤクソクまもるよ!」
その道中エルは一時もルウィナの手を離すことなく、ルウィナも魔物と戦闘している時も術だけを使い前線で戦う仲間たちの援護をしていた
ドヴォールを出て確実に一時間は経った頃、進む道の先にキラキラ光るものが見えだして
目的地に着いたメンバーの目の前には太陽の光を反射させてキラキラ光る湖が目の前に広がっている
「ルドガーあれ!エルの家!パパーっ!!」
「え?ここ分史世界だよ・・・?」
「疑問は尽きませんが今はエルさんと離れるのは避けたほうが良いでしょうし、私たちもまいりましょう」
「ふわぁ・・・」
「ルウィナ、眠いのか?」
「意外と疲れた・・・」
軽く目を擦りながらルドガーの隣を歩く
ちらりとエルを抱き上げているヴィクトルに視線を向けたら丁度自分を見ていたようで視線が合う
口元だけに笑みを浮かべたら呆れたような顔をされて
エルの家にお邪魔してお手製の料理を食べて
眠くなったエルと同じく船をこぎ始めていたルウィナは揃ってお昼寝することに
部屋に案内するためにヴィクトルがルウィナとエルに着いていき、その間外を見たり思い思いに過ごしていたルドガーの眼に入ったのは棚の上に飾られていた写真立て
「(今より小さいころのエルと、ヴィクトルとこの人は奥さんか)」
写真の中には幸せそうに笑う3人家族が写っていた
なぜ仮面をしているのかという疑問は尽きないが自分が気にすることじゃないなと考えを改めて次の写真へ視線を移すと、そこには
「ルウィナ・・・?」
「エルとルウィナは部屋に案内した。君たちは私に聞きたいことがあるのだろう?」
気配無く背後に立っていたヴィクトルから反射的に距離を取り、ルウィナを除く一行は話をするために外へと場所を移した
「ローエンはもう察していると思うが、当時の仲間だったジュード達をこの湖へ投げ入れたのは私だ。精霊だったためにミラとミュゼの身体は光になって消えたがな」
「なんで・・・!?」
「・・・私の宝を守るため。幼いころから大切にしていた存在さえも奪われた私に残されたエルさえも利用しようとした存在を消した」
ルドガー達に背を向けていたヴィクトルが振り返り、手に持っていた双剣を構えた
「本物のエルと、生きるためにお前が邪魔なんだ!」
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