キャンバスの向こうがわ

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ゆっきーたちは無事に全国優勝を果たしたらしい


そう、‘らしい’


「なんで、決勝当日に倒れるかなぁ私・・・」

「昔に比べれば大分元気になって来てるんだけど、油断大敵ってことじゃないかな?」

「むぅ」

「あはは!まぁ数値も回復してきているから明日には退院・・・だったはずなんだけどね、入院中に無理して絵を描いたね?少しばかり退院前の検査を増やさせてもらうから3日ほど伸びるよ」

「しょうがないですねー。でもコンクールに出す絵をどうしても仕上げたかったから」


部活を辞めてから少しづつ描いていた絵
本当はテニス部の皆が優勝しちゃう前に描き上げて見て貰いたかったもの


「じゃあ今日の検査は終わり。検査が3日伸びるって言っても2時間程度で終わるものばかりだからそんなに負担はかからないはずだよ」

「はーい。ありがとうございました」


診察室から出て自分が入院中使っている部屋へ帰る途中、珍しい(ようなそうじゃないような?)人が部屋の前に立っていた


「柳君?今日の部活無かったの?」

「今日は午前中のみだったのでな。他の奴らも来たがったんだが終わりがけに紅斗先輩が来て俺以外のレギュラーは今練習試合中だ」

「あー紅斗兄様柳君たちの試合の様子教えてくれてた時に楽しそうに笑ってたから。自分も混ざりたくなったんだねー」

「俺は先輩から雪宮を迎えに行けと言われたから来たんだが、その様子だと入院日数増えたのか?」

「凄い、良く分かったねぇ。入院中ちょっと無理して絵を描いてたら体調に出たみたいで3日伸びたの」

「あぁ、あの1か月後に結果が出るコンクールか。確かにあれに出すのであれば少々無理をしないと間に合わなかっただろうな」


描きたかったから描いた、自己満足な絵だけどね!
流石の情報通柳君


「という訳だから、せっかく迎えに来てくれたのに一緒に行けないんだよ」

「分かった。俺からテニス部と先輩には伝えておくが一応お前からも連絡しておけ」

「はぁい」

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