しろ

□FQ
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フラッシュの目が鋭く光る。


「ぅ、ぐ…っぁ、フラッ…シュ」

「黙れ、喋んじゃねぇ」


首を掴みあげられ宙吊りにされ息が苦しい。
殴られすぎて片目が潰れ、口元が切れている、
腕も片方折れて俺の機体は使い物にならない位にボロボロだ。


「フラッシュ…」


辛うじて動く方の腕でフラッシュに触れる。


「クイッ…ク…、っ!!」


フラッシュは俺を離しカタカタと震えはじめた。
その表情はずたずたにされた俺よりも痛そうで、辛そうで、


「クイック、ごめ…っ、クイック痛かったよな?ごめんな?ごめんっ、そんなつもりじゃ…クイック…。
好きなんだ、愛してるんだ…っ」

「大丈夫、大丈夫だフラッシュ。痛くない、大丈夫だから泣かないでくれ。
俺も愛してる。好きだよフラッシュ、だから…」


勢いよく腹部を蹴られる
俺は与えられる衝撃に任せて後方へ倒れ込んだ。


「勝手に喋ってんじゃねぇよ、」

「ぁ、ゔ…、」


痛みに悶えていると優しくフラッシュが俺を抱きしめる


「クイック…愛してる」


ああ、俺、こいつのこと本当に好きだ。

どれだけ殴られようが、蹴られようが、
こいつのことが好きだ。

そんな自分を馬鹿だとは思う。
でも俺はこいつのしたことを許さずにはいられないんだ。

この温もりから、離れられない。


「…フラッシュ、」

「クイック…、愛してる」


フラッシュの目がさっきより鋭く光り俺を蹴り飛ばした

それを俺は喜んで受け入れる。
こいつにされるなら俺は何だって受け入れられるんだ。

結局、つまるところ、結果的に、
俺らはお互い病的なまでに依存しているということ。



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