dream

□死神
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死神。



それは生命の死を司る神、冥府においては魂の管理者とされるもの。

人を死に誘い、人に死ぬ気を起させる


人々からは悪の印象を受ける神























だが

















そんな死神にはイメージとはかけ離れた者もいるのだった――――――――――――――――――――――――――・・・・・・







『どこだよコンチクショウッ!!』




えー…初めまして皆さん

俺は死神のケール。

今日からここ、立川で人狩りをする事になった。


で、今俺は今日から住むマンションを探してる。













見つからねぇ。






どんだけ歩いても見つからねぇ。

どこだよホントに。

もう実在してねーんじゃねーのかってくらい見つからねぇ。

いや、実在してくれてないと困るんだけどよ。

ていうかここ立川であってるよな?

違ったら泣くんだけど。あ、やばい涙出てきた。

あーあ、なにやってんだ俺。

…でもここでやっていくしかないしな。仕方ねぇか。



何度目かも分からない溜め息を一つついて俺はまた歩き出した。










―――――1時間後―――――










『おっしゃ・・・やっと・・・見つけ・・・た・・・』


探し回ってやっと見つけた。

同じ場所を何度も歩いてたなんて俺は信じねぇぞ。


とりあえずマンションのオーナーに挨拶をして鍵をもらい、部屋に入る。
ずっと歩き回っていたので早く部屋に入って休みたかった。




『あー…疲れた。来てすぐに道に迷うとかホントにありえ・・・・・・』


あり得ない。

そう言おうとして俺の口が止まった。

いや、正確に言えば止まったんじゃない。





止められたんだ。





何故なら俺の目の前でもっとあり得ないことが起きていたからだ。






「お、やっと来たか」



















黒いふわふわの髪に蝶ネクタイ。
奴の背からは黒い羽コウモリのような羽が開いている。

目は髪に隠され見えないが、その下にある口はにんまりとつり上がっている。


目の前にいるこの男は俺が一番嫌いな奴だ

何故こいつが俺の家にいて(しかも俺より先に)
何故今俺に目の前で笑っているのだろう








嫌な予感がした。






俺の中の何かがそれを察知した。



















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