『繋ぐ扉』
□トラペッタ
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馬車は門をくぐり、少し行ったところで止まった。
「ふむ、着いたようじゃな。わしの記憶に間違いがなければ 確かこの町のはずじゃ。
この町のどこかに マスター・ライラスと呼ばれる人物が住んでいるはずじゃ。」
「ちょっと待ってくれよおっさん!
アッシらが追っていたのは ドルマゲスってヤツじゃなかったでがすか!?」
辺りを見渡しながら言ったトロデ王の言葉に、ヤンガスがすかさず突っ込む。
「そうじゃ!憎きはドルマゲス!わしらをこのような姿に変えた、とんでもない性悪魔法使いじゃ!
一体あやつめはどこに姿をくらませてしまったのか!?一刻も早くあやつめを探し出し、この忌々しい呪いを解かねばならん。
でなければ あまりにもミーティア姫がふびんじゃ。
折角サザンビーク国の王子と婚儀も決まったというのに……。ド、ドルマゲスのやつめっ!」
「むしろあの豚と婚儀を決定されちゃった方が不憫な感じだよね…」
「え?マヤ、何か言った??」
「なんでもないアルヨ。」
「???」
トロデ王はそこまで言い終わると、エイトの方へ体を向けた。
「というわけでエイト。早速じゃがライラスなる人物を探し出してきてくれるか?」
「はい…」
そしてエイトはマヤの方へ振り向き、「マヤはどうする?」と意向を尋ねてきた。
「じゃあ私はここで待ってるよ。何か出来るかもだし…」
「えっ?」
「あっ、な、何でもないよっ。気にしないで!」
思わずこの後に起きることを口走りそうになったが、とりあえず(自分の中で)なかったことにした。
「分かった。…では陛下。」
「ふむ、頼んだぞ。」
エイトは敬礼し、すたすたと歩いてゆく。
「おーい、兄貴!」
ヤンガスも急いでエイトの後を追っていった。