『繋ぐ扉』
□トラペッタ→滝の洞窟→トラペッタ
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―井戸の前の家の中に入った時、ユリマと名乗った少女は、静かに眠っていた。
「う〜ん…どうしようか。」
と、困ったようにエイトが呟いた。
「何言ってんのエイトっ!起こすに決まってんじゃん!」
「え、それちょっと可哀そうじゃない?」
「早く起こして早く眠らせる方が良いでしょ!?…あのー、ユリマさん?」
マヤが少し揺すると、すぐ目を覚ました。
「あ!本当に来てくれたんですね!
なのに私ったら、うたた寝なんかしててごめんなさい。」
「構いませんよ。話が済んだらゆっくりお休みください。
それで、お願いというのは…?」
「実は、頼みというのはこの水晶玉のことなんです。
…て、もしかして、話が早過ぎましたか?もっと頭から話した方が良いですか?」
「あ、大丈夫ですよ。」
「では続けますね。
かつて、私の父ルイネロは物凄く高名な占い師でした。
どんな探し物も、尋ね人も、ルイネロには分からぬことはないと…。
しかし、ある日を境にその占いは全く当たらなくなってしまったのです。
多分それは、この水晶玉がただのガラスに…」
バタンッ
急にドアの閉まる音がし、一斉にそちらへ振り向く。
そこにいたのは…ユリマの父、ルイネロ。