『繋ぐ扉』

□トラペッタ→リーザス村
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――水晶を取り戻した次の朝。

ユリマとルイネロが何やら作業をしている。
どうやら水晶玉を定位置に置こうとしているようだが、なかなか思い通りにいかないらしい。

普段、ほぼ毎日部活で朝練があるからなのか。
エイトとヤンガスが爆睡してる中、一人通常通りに起きたマヤ。

「おはようございます!…あ、私もお手伝いしますよ。」
「おお、それは助かるな。ではユリマと二人でこの水晶を持ってくれ。」

「マヤちゃん、こっちこっち!」
年が近いユリマとマヤは、あっという間に仲良くなったのだった。


「…よし、これで良いだろう。
 マヤよ、礼と言っては何だが、何か知りたいことはないかね?」

「えっ!?そんな、良いんですか?」
「おぬしは悪人ではないからな。…異世界の人間ではあるようだが。」

「分かるの?お父さん。」ユリマからの情報ではないらしい。
「凄いですルイネロさん。確かに、私はこことは別の世界の人間です。」

「ああ…どうやら『禁断の道』を通って来たようだな。」
「お父さん、その『禁断の道』って何なの?」

「大昔、この世界とマヤのいた世界は行き来が出来たそうだ。
 交流も多く、それはそれは栄えたらしい。

 だが交流は人間だけにとどまらなくてな。
 何らかによって、この二つの世界を繋ぐものが絶たれたとか。

 そして、『禁断の道』と名付け、この二つの世界は繋がることはなくなったそうだ。
 この道を開くのは勿論、通るなど無理に等しいのだ。

 …だがしかし、現にそなたはこの世界に訪れておる。
 今のおぬしの現状を調べてみるか?」

「お願いします。」
「うむ。」

そう言って水晶を見始めた…
「むむ!?こ…これは…!」
「な、何か分かりました!?」

あほう、じゃと!?だ、誰があほうじゃっ!?一体どこの馬鹿がこんなことを!」
「ちょっとお父さん!マヤちゃんがそんなこと知りたい訳ないでしょ!!全く……。」

ああ、ユリマちゃんったら呆れて向こうに行っちゃったよ。
とか思える位には余裕が出てきた。

余裕が出てきた所でエイトが起きてきた。
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