『気分』
□不思議(笑)な先輩と変な自分
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【後輩も友達なんですかwww】
【そうだよ(キリッ】
「…私のこともそう思ってるのかな……?」
携帯の画面に映っている文字を眺めながらぼんやりとつぶやいてみた。
「…ちょ、何言ってんの私!?うわ〜ないわ〜っ。」
ついでに悲しい独り言も言っている。実に残念な中学生である。
【先輩好きな人いるんですか?】
【いきなりなんだよw】
【いや…何となく……です。】
【……想像に任せる。】
「って、えぇ!?いるの!!?」
【「二次元」とか言いませんよねぇ…?】
【確かに俺の彼女は二次元だけどな!(・∀・)】
この人のこの誤魔化し方は、大概言いにくい方の選択肢。
何となく、そんな気がする。
…ついでにこの人、かなりのオタクです……
【えー、ちゃんと三次元でいますよね?誰なんですか〜?】
【(∩゚д゚)アーアーキコエナイ】
【ちょっとぉ誤魔化さないでくださいよw】
【そーゆーお前は?人に聞く時はまず自分から言うもんだろ(・∀・)ニヤニヤ】
この人と仲が良いのは、所謂「類は友を呼ぶ」ってところです。
なるほどわからんw
【…先輩ずるいです……】
【いるんだ?】
【いますよ…でも……】
【でも?】
「『あなたです』なんてそんなあっさり言えるわけないでしょ馬鹿!!」
先輩に対して何て言葉を放ってるんだよ、とか突っ込む冷静人は今周囲にいません。
てなわけで、メールの時は色々吐き捨てたりとか…してる。
…え、悲しい?
んなこと知ってるわぁ!!
【その人、他に好きな人いるかもなんです…orz】
【ふ〜ん…で、誰なの?とか聞いてみる( ^ω^)】
「当たって砕けろ、と。そー言いたいんですね分かります」
何だか間違ってるようなそーでもないような決心をする。
【…言っても嫌わないでくださいよ?……先輩です。】
【どの先輩?】
【オタクで、本人のくせに私に好きな人聞いた先輩、つまりあなたですが何か?。・゚・(ノД`)・゚・。】
「お姉ちゃん、晩ご飯出来たよ〜…誰とメールしてるの?」
「あっそ。先輩だよ。用済んだらさっさとあっち行って!」
このタイミングで来んなし。
すげーヒヤヒヤするじゃねーかよ!!
つか大体、書き方はともかく告った直後に晩ご飯食えるか!
…って思ったけど、先輩からのメールがすぐには来なくて食べた。
でもやっぱり少量でお腹一杯。
「ドキドキし過ぎて咀嚼が上手く出来ない…」
うむ、口に出すと何かがおかしいのがよく分かる。
食べ終わって部屋に戻ってみたら返信が来てた。
焦って時間を見ると1分前に来たばかりだった。
【ごめん夕飯で遅れた。
えと…無理に言わせちゃってごめん。言いにくかったよね…
じゃあ俺も言わなきゃ。…俺も、お前が……うん。言わなくても続きは分かるよね?】
「…急にそんな優しくなったりされたら調子狂うよもう〜っ!!」
そしてちょっと意地悪くなってみた。
【えー分かりませんねぇw続きは何ですかぁ??】
【お前、絶対分かってるだろ(・ω・`)】
【…だって、確信持てないんですもん。】
私は自分に素直でいることを目標にいつも行動してるから、
好きな人相手でも案外素直でいられたりしてる……と思う。
【………好きだよ。これでいいか?Σ(゚Д゚;)】
【はい、ありがとうございます…いや、ごちそう様?】
【(・∀・)ニヤニヤ】
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【……先輩、さっきまでのメールで
「他人に見られたら恥ずかしいだろ」ってやつ全部消しといてくださいっ!】
思い出したように打ち出した。
いや、だって恥ずかしいだろどう考えても。
【えー残しときたい(´・ω・`)ショボーン】
【やめてください恥ずかしいです(泣)】
【分かったよ。じゃあお前も消せよ?】
【えー残したかっ…分かりました消しますよ。】
【お互い様だろw】
【そーですねw…あ、今日のところはこの辺で。】
【うん。(・ω・)ノシそれじゃ】
「非リアの皆さん、裏切ってごめんなさいっ☆」
(別室にて)
ボソッ「…お姉ちゃんうるさい……」
完全なる眠りにつくまで、一人、いや独りで何やら騒いでいたオタク女子中学生がいたらしい。