『繋ぐ扉』
□トラペッタ→滝の洞窟→トラペッタ
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「何を話しているんだ、ユリマ!?
その水晶玉には触るなとあれほど何度も……っ!?
ん?あんたは確か……酒場で会った人だな?
……まあ、ともかくだ!わしは別に困っていない。
娘に何を頼まれたかは知らんが、余計なお世話だぞ!
さて、わしはもう寝る。
ユリマ!客人には早々にお引取り願うんだぞ。」
その場はしーんと静まった。
ルイネロの姿が見えなくなったところでユリマが口を開いた。
「ごめんなさい。あんな父で……。
でも!あんなこと言っても、占いが当たらなくなって一番悩んでいるのは父本人だと思います。
だからお願いです。
父本来の力が発揮出来る程の大きな水晶玉を見つけてきてくれませんか?」
「えっと…」
「エイト、王様の命令も忘れないようにね?」
(「ここは一つ、あの娘のために一肌脱いでやろうではないか!」)
「あ…確かにそんなことも言ってたような……分かりました。水晶玉、見つけ出してみせます!」
「え!引き受けてくれるんですか!やっぱり夢のお告げの通りだわ!
そのお告げによると、町の南、大きな滝の下の洞窟に水晶が眠っているそうです。
こんなことが分かるなんて、私はやっぱり偉大なるルイネロの娘ですよねっ。」
嬉しそうに話すユリマを、少し戸惑うように見つめるマヤ。
「(娘、ねぇ…)」
「…ん?マヤ、どうかした?」
「えっ?あ、いや、何でもないよ…っていうか、その内分かるよ。」
マヤって時々意味深な行動するよな、とエイトは思ったのだった。